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[[File:Battle of Chemulpo Bay edison.ogv|thumb|right|200px|サイレント映画の動画]]
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{{Portal|映画}}
{{Portal|映画}}
'''サイレント映画'''(サイレントえいが、{{lang-en|silent film}})は、[[音声]]・[[音響]]、特に俳優の語る[[台詞|セリフ]]が入っていない[[映画]]のことである<ref name="koto無声">[http://kotobank.jp/word/%E7%84%A1%E5%A3%B0%E6%98%A0%E7%94%BB 無声映画]、[[デジタル大辞泉]]、[[小学館]]、[[コトバンク]]、2010年2月4日閲覧。</ref>。
'''サイレント映画'''(サイレントえいが)は、[[音声]]・[[音響]]、特に[[俳優]]の語る[[台詞|セリフ]]が入っていない[[映画]]のことである<ref name="koto無声">[http://kotobank.jp/word/{{urlencode:無声映画}} 無声映画]、[[デジタル大辞泉]]、[[小学館]]、[[コトバンク]]、2010年2月4日閲覧。</ref>。


== 概要 ==
== 概要 ==
'''無声映画'''(むせいえいが)とも呼び、対概念は[[トーキー]](発声映画)である<ref name="koto無声" />。サイレント映画のフィルムには音声トラックが存在しないが、トーキーフィルム登場後に音声トラックに[[劇伴]]を収録したサイレント映画を「[[サウンド版]]」<ref>[http://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E7%89%88 サウンド版]、デジタル大辞泉、小学館、コトバンク、2010年2月4日閲覧。</ref>、さらに日本では[[活動弁士]]による解説も収録したサウンド版を「[[解説版]]」と呼ぶ。
'''無声映画'''(むせいえいが、'''無聲映畫''')とも呼び、対概念は[[トーキー]](発声映画)である<ref name="koto無声" />。サイレント映画のフィルムには音声トラックが存在しないが、トーキーフィルム登場後に音声トラックに[[劇伴]]を収録したサイレント映画を「[[サウンド版]]」<ref>[http://kotobank.jp/word/{{urlencode:サウンド版}} サウンド版]、デジタル大辞泉、小学館、コトバンク、2010年2月4日閲覧。</ref>、さらに日本では[[活動弁士]]による解説も収録したサウンド版を「[[解説版]]」と呼ぶ。このように、映画はもともとサイレントであったので、サイレント映画という呼称は[[レトロニム]]である


[[19世紀]]後期の映画の発明以降の約40年間、[[1927年]](昭和2年)に世界初のトーキー『[[ジャズ・シンガー]]』が発表・実用化されるまで、商業的に世界各国で製作・公開されていた映画はすべてがサイレント映画であった。サイレント期の劇映画は、[[パントマイム]]演技とカットタイトルの[[字幕]]によるセリフ・[[ト書き]]で表現する芸術であったが、日本では、各常設活動館(現在の[[映画館]])に常駐した活動弁士による生の解説に負うところが大きかった<ref>[http://kotobank.jp/word/%E6%B4%BB%E5%BC%81%E5%A3%AB 活弁士]、[[朝日新聞]] 2007年10月23日 夕刊2社会面「キーワード」、コトバンク、2010年2月4日閲覧。</ref>。
[[19世紀]]後期の映画の発明以降の約40年間、[[1927年]](昭和2年)に世界初のトーキー『[[ジャズ・シンガー]]』が発表・実用化されるまで、商業的に世界各国で製作・公開されていた映画は殆どがサイレント映画であった。サイレント期の劇映画は、[[パントマイム]]演技とカットタイトルの[[字幕]]によるセリフ・[[ト書き]]で表現する芸術であったが、日本では、各常設活動館(現在の[[映画館]])に常駐した活動弁士による生の解説に負うところが大きかった<ref>[http://kotobank.jp/word/{{urlencode:活弁士}} 活弁士]、[[朝日新聞]] 2007年10月23日 夕刊2社会面「キーワード」、コトバンク、2010年2月4日閲覧。</ref>。


日本では、1930年代前半(昭和初期)にトーキーに移行し始めたが、[[剣戟映画]]を中心に1938年(昭和13年)まではサウンド版を含めたサイレント映画が製作・公開されていた<ref>例 : [http://www.jmdb.ne.jp/1938/bn003930.htm 大前田英五郎](1938年)、[[日本映画データベース]]、2010年2月4日閲覧。</ref>。
日本では、1930年代前半(昭和初期)にトーキーに移行し始めたが、[[剣戟映画]]を中心に1938年(昭和13年)まではサウンド版を含めたサイレント映画が製作・公開されていた<ref>例 : [http://www.jmdb.ne.jp/1938/bn003930.htm 大前田英五郎](1938年)、[[日本映画データベース]]、2010年2月4日閲覧。</ref>。
また、トーキー・サウンド版定着初期はトーキー・サウンド版作品を上映できる設備がまだ整っていない映画館も多く、その映画館向けにトーキー・サウンド版作品を無声映画仕様に編集して上映していた。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
[[File:LouisLePrinceFirstFilmEver RoundhayGardenScene.png|thumb|right|200px|ギネスブックが認定した世界初の映画『[[ラウンドヘイの庭の場面|ラウンドヘイ・ガーデン・シーン]]』(1888年)の1カット。]]
[[File:LouisLePrinceFirstFilmEver RoundhayGardenScene.png|thumb|200px|[[ギネス世界記録]]が認定した世界初の映画『[[ラウンドヘイの庭の場面|ラウンドヘイ・ガーデン・シーン]]』(1888年)の1カット。]]
[[File:Griffith_intolerance.jpg|thumb|right|200px|巨大なセットが組まれた『[[イントレランス]]』(1916年)。]]
[[File:Griffith intolerance.jpg|thumb|200px|巨大なセットが組まれた『[[イントレランス]]』(1916年)。]]
{{main|映画史}}
{{main|映画史}}
世界最初の映画は、[[1888年]](明治21年)に[[ルイ・ル・プランス]]が生み出した。オークウッド・グランジ庭園を歩き回る人々を撮影した上映時間2秒の作品で、タイトルは『[[ラウンドヘイの庭の場面|ラウンドヘイ・ガーデン・シーン]]』 ''Roundhay Garden Scene'' である<ref>[[:en:Guinness World Records|Guinness Book of Records]], all editions.</ref>。モーション・ピクチャー(活動写真)の芸術・技術は、「サイレント期」と呼ばれる時代に全面的に成熟し、その後1920年代末に、発声映画(トーキー)にとって替わった。多くの映画学者らは、新しく到来した「トーキー」に監督や俳優、スタッフたちが適応するまでの数年間、映画の美的クォリティは減少したと指摘している<ref name=filmsite>[http://www.filmsite.org/20sintro.html Film History of the 1920s, Part 1.] {{en icon}}、2009年5月6日閲覧。</ref>。
世界最初の映画は、[[1888年]](明治21年)に[[ルイ・ル・プランス]]が生み出した。オークウッド・グランジ庭園を歩き回る人々を撮影した上映時間2秒の作品で、タイトルは『[[ラウンドヘイの庭の場面|ラウンドヘイ・ガーデン・シーン]]』 ''Roundhay Garden Scene'' である<ref>[[:en:Guinness World Records|Guinness Book of Records]], all editions.</ref>。モーション・ピクチャー(活動写真)の芸術・技術は、「サイレント期」と呼ばれる時代に全面的に成熟し、その後1920年代末に、発声映画(トーキー)にとって替わった。多くの映画学者らは、新しく到来した「トーキー」に監督や俳優、スタッフたちが適応するまでの数年間、映画の美的クォリティは減少したと指摘している<ref name=filmsite>[http://www.filmsite.org/20sintro.html Film History of the 1920s, Part 1.] {{en icon}}、2009年5月6日閲覧。</ref>。


サイレント映画の映像美、とりわけ1920年代に製作された作品のクォリティは極めて高度である。しかしながら、一般には、原始的なものであり現代人の鑑賞に堪える代物ではないとの誤解が広く存在する。誤った速度で映写されるなどの技術的エラーや、オリジナルプリントの消失による質の低いデューププリントやフィルム断片しか現存していないなどの保存状態の悪さに由来する誤解である<ref name=filmsite />。
サイレント映画の映像美、とりわけ1920年代に製作された作品のクォリティは極めて高度である。しかしながら、一般には、原始的なものであり現代人の鑑賞に堪える代物ではないとの誤解が広く存在する。誤った速度で映写されるなどの技術的エラー(サイレント映画標準の16[[フレームレート|fps]]で撮影<ref group="注">18fpsの場合もある。</ref>されているにもかかわらず24fpsで映写される等)や、オリジナルプリントの消失による質の低いデューププリントやフィルム断片しか現存していないなどの保存状態の悪さに由来する誤解である<ref name=filmsite />。


[[1927年]](昭和2年)に世界初の長編商業[[トーキー]]とされる『[[ジャズ・シンガー]]』が出現するまでは、ほとんどがサイレント映画であった。音声がないという制約から様々な映画的テクニックが開発され、それは現代の映画にも引き継がれている。登場人物のせりふは[[字幕]]を挿入することで表現したが、[[俳優]]の演技は大袈裟なものにならざるを得なかった。
[[1927年]](昭和2年)に世界初の長編商業[[トーキー]]とされる『[[ジャズ・シンガー]]』が出現するまでは、ほとんどがサイレント映画であった。音声がないという制約から様々な映画的テクニックが開発され、それは現代の映画にも引き継がれている。登場人物のせりふは[[字幕]]を挿入することで表現したが、[[俳優]]の演技は大袈裟なものにならざるを得なかった。
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トーキーが実用化されてからは、サイレント映画に音楽の[[サウンドトラック]]を付加したものが上映され、これを[[サウンド版]]という。トーキー以後の時代にも、サイレント映画(多くは厳密にはサウンド版)として製作された作品も存在する。[[ジャック・タチ]]、[[メル・ブルックス]]、[[アキ・カウリスマキ]]らが、「その後のサイレント映画」を監督した映画作家である。
トーキーが実用化されてからは、サイレント映画に音楽の[[サウンドトラック]]を付加したものが上映され、これを[[サウンド版]]という。トーキー以後の時代にも、サイレント映画(多くは厳密にはサウンド版)として製作された作品も存在する。[[ジャック・タチ]]、[[メル・ブルックス]]、[[アキ・カウリスマキ]]らが、「その後のサイレント映画」を監督した映画作家である。


==おもなサイレント映画==
== おもなサイレント映画 ==
{{See also|Category:サイレント映画}}
{{See also|Category:サイレント映画}}
===外国映画===
===外国映画===
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* [[月世界旅行 (映画)|月世界旅行]](1902年、フランス、[[ジョルジュ・メリエス]]監督)
* [[月世界旅行 (映画)|月世界旅行]](1902年、フランス、[[ジョルジュ・メリエス]]監督)
* [[大列車強盗 (1903年の映画)|大列車強盗]](1903年、アメリカ、[[エドウィン・S・ポーター]]監督)
* [[大列車強盗 (1903年の映画)|大列車強盗]](1903年、アメリカ、[[エドウィン・S・ポーター]]監督)
* [[アントニーとクレオパトラ (1913年の映画)|アントニーとクレオパトラ]](1913年、イタリア、[[エンリコ・ガッツォーニ]]監督)
* [[カビリア]](1914年、イタリア、{{仮リンク|ジョヴァンニ・ペストローネ|it|Giovanni Pastrone}}監督)
* [[カビリア]](1914年、イタリア、{{仮リンク|ジョヴァンニ・ペストローネ|it|Giovanni Pastrone}}監督)
* [[レ・ヴァンピール 吸血ギャング団]](1915年、フランス、[[ルイ・フイヤード]]監督)
* [[レ・ヴァンピール 吸血ギャング団]](1915年、フランス、[[ルイ・フイヤード]]監督)
* [[國民の創生]](1915年、アメリカ、[[D・W・グリフィス]]監督)
* [[國民の創生]](1915年、アメリカ、[[D・W・グリフィス]]監督)
* [[チート (映画)|チート]](1915年、アメリカ、[[セシル・B・デミル]]監督)
* [[イントレランス]](1916年、アメリカ、D・W・グリフィス監督)
* [[イントレランス]](1916年、アメリカ、D・W・グリフィス監督)
* [[散り行く花]](1919年、アメリカ、D・W・グリフィス監督)
* [[散り行く花]](1919年、アメリカ、D・W・グリフィス監督)
* [[カリガリ博士]](1919年、ドイツ、[[ロベルト・ヴィーネ]]監督)
* [[カリガリ博士]](1919年、ドイツ、[[ロベルト・ヴィーネ]]監督)
* [[東への道]](1920年、アメリカ、D・W・グリフィス監督)
* [[霊魂の不滅]](1921年、スウェーデン、[[ヴィクトル・シェストレム]]監督・主演)
* [[霊魂の不滅]](1921年、スウェーデン、[[ヴィクトル・シェストレム]]監督・主演)
* [[キッド (1921年の映画)|キッド]](1921年、アメリカ、[[チャールズ・チャップリン]]監督・主演)
* [[キッド (1921年の映画)|キッド]](1921年、アメリカ、[[チャールズ・チャップリン]]監督・主演)
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* [[ロイドの要心無用]](1923年、アメリカ、[[フレッド・ニューメイヤー]]&{{仮リンク|サム・テイラー (監督)|label=サム・テイラー|en|Sam Taylor (director)}}監督)
* [[ロイドの要心無用]](1923年、アメリカ、[[フレッド・ニューメイヤー]]&{{仮リンク|サム・テイラー (監督)|label=サム・テイラー|en|Sam Taylor (director)}}監督)
* [[幌馬車 (1923年の映画)|幌馬車]](1923年、アメリカ、{{仮リンク|ジェームズ・クルーズ|en|James Cruze}}監督)
* [[幌馬車 (1923年の映画)|幌馬車]](1923年、アメリカ、{{仮リンク|ジェームズ・クルーズ|en|James Cruze}}監督)
* [[十誡 (映画)|十誡]](1923年、アメリカ、[[セシル・B・デミル]]監督)
* [[十誡 (映画)|十誡]](1923年、アメリカ、セシル・B・デミル監督)
* {{仮リンク|アイアン・ホース|en|The Iron Horse (film)}}(1924年、アメリカ、[[ジョン・フォード]]監督)
* [[アイアン・ホース]](1924年、アメリカ、[[ジョン・フォード]]監督)
* {{仮リンク|幕間|en|Entr'acte (film)}}(1924年、フランス、[[ルネ・クレール]]監督)
* {{仮リンク|幕間|en|Entr'acte (film)}}(1924年、フランス、[[ルネ・クレール]]監督)
* [[結婚哲学]](1924年、アメリカ、[[エルンスト・ルビッチ]]監督)
* [[結婚哲学]](1924年、アメリカ、[[エルンスト・ルビッチ]]監督)
* {{仮リンク|グリード (映画)|en|Greed (film)|label=グリード}}(1924年、アメリカ、エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督)
* [[グリード (1924年の映画)|グリード]](1924年、アメリカ、エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督)
* {{仮リンク|最後の人|de|Der letzte Mann (1924)}}(1924年、ドイツ、F・W・ムルナウ監督)
* {{仮リンク|最後の人|de|Der letzte Mann (1924)}}(1924年、ドイツ、F・W・ムルナウ監督)
* {{仮リンク|ニーベルンゲン (1924年の映画)|en|Die Nibelungen|label=ニーベルンゲン}}(1924年、ドイツ、フリッツ・ラング監督)
* {{仮リンク|ニーベルンゲン (1924年の映画)|en|Die Nibelungen|label=ニーベルンゲン}}(1924年、ドイツ、フリッツ・ラング監督)
* {{仮リンク|バグダッドの盗賊 (1924年の映画)|en|The Thief of Bagdad (1924 film)|label=バグダッドの盗賊}}(1924年、アメリカ、[[ラオール・ウォルシュ]]監督)
* [[バグダッドの盗賊 (1924年の映画)|バグダッドの盗賊]](1924年、アメリカ、[[ラオール・ウォルシュ]]監督)
* [[キートンの探偵学入門]](1924年、アメリカ、[[バスター・キートン]]監督・主演)
* [[キートンの探偵学入門]](1924年、アメリカ、[[バスター・キートン]]監督・主演)
* [[黄金狂時代]](1925年、アメリカ、チャーリー・チャップリン監督・主演)
* [[黄金狂時代]](1925年、アメリカ、チャーリー・チャップリン監督・主演)
* [[オペラの怪人 (1925年の映画)|オペラの怪人]](1925年、アメリカ、[[ルパート・ジュリアン]]監督)
* [[オペラの怪人 (1925年の映画)|オペラの怪人]](1925年、アメリカ、[[ルパート・ジュリアン]]監督)
* {{仮リンク|ビッグ・パレード|en|The Big Parade}}(1925年、アメリカ、[[キング・ヴィダー]]監督)
* [[ビッグ・パレード]](1925年、アメリカ、[[キング・ヴィダー]]監督)
* [[戦艦ポチョムキン]](1925年、ソ連、[[セルゲイ・エイゼンシュテイン]]監督)
* [[戦艦ポチョムキン]](1925年、ソ連、[[セルゲイ・エイゼンシュテイン]]監督)
* [[ベン・ハー (1925年の映画)|ベン・ハー]](1925年、アメリカ、[[フレッド・ニブロ]]監督)
* [[ベン・ハー (1925年の映画)|ベン・ハー]](1925年、アメリカ、[[フレッド・ニブロ]]監督)
* [[喜びなき街]](1925年、ドイツ、[[ゲオルク・ヴィルヘルム・パープスト]]監督)
* [[母 (1926年の映画)|母]](1926年、ソ連、[[フセヴォロド・プドフキン]]監督)
* [[母 (1926年の映画)|母]](1926年、ソ連、[[フセヴォロド・プドフキン]]監督)
* {{仮リンク|キートンの大列車追跡(キートン将軍)|en|The General (1926 film)}}(1927年、アメリカ、ターキートン監督・主演
* [[肉体と悪魔]](1926年、アメリカ、[[クラレンス・ブラウ]]監督)
* [[キートンの大列車追跡]](1926年、アメリカ、バスター・キートン監督・主演)
* {{仮リンク|ナポレオン (1927年の映画)|fr|Napoléon (film, 1927)|label=ナポレオン}}(1927年、フランス、アベル・ガンス監督)
* {{仮リンク|ナポレオン (1927年の映画)|fr|Napoléon (film, 1927)|label=ナポレオン}}(1927年、フランス、アベル・ガンス監督)
* {{仮リンク|アッシャー家の末裔|fr|La Chute de la maison Usher (film, 1928)}}(1927年、フランス、[[ジャン・エプスタン]]監督)
* [[アッシャー家の末裔]](1927年、フランス、[[ジャン・エプスタン]]監督)
* {{仮リンク|女優ナナ (1926年の映画)|fr|Nana (film, 1926)|label=女優ナナ}}(1927年、フランス、[[ジャン・ルノワール]]監督)
* {{仮リンク|女優ナナ (1926年の映画)|fr|Nana (film, 1926)|label=女優ナナ}}(1927年、フランス、[[ジャン・ルノワール]]監督)
* [[暗黒街 (1927年の映画)|暗黒街]](1927年、アメリカ、[[ジョセフ・フォン・スタンバーグ]]監督)
* [[暗黒街 (1927年の映画)|暗黒街]](1927年、アメリカ、[[ジョセフ・フォン・スタンバーグ]]監督)
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* [[アンダルシアの犬]](1928年、フランス、[[ルイス・ブニュエル]]監督)
* [[アンダルシアの犬]](1928年、フランス、[[ルイス・ブニュエル]]監督)
* {{仮リンク|紐育の波止場|en|The Docks of New York}}(1928年、アメリカ、ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督)
* {{仮リンク|紐育の波止場|en|The Docks of New York}}(1928年、アメリカ、ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督)
* [[パンドラの箱 (映画)|パンドラの箱]](1929年、ドイツ、[[ゲオルク・ヴィルヘルム・パープスト]]監督)
* [[パンドラの箱 (映画)|パンドラの箱]](1929年、ドイツ、ゲオルク・ヴィルヘルム・パープスト監督)
* [[カメラを持った男]](1929年、ソ連、[[ジガ・ヴェルトフ]]監督)
* [[カメラを持った男]](1929年、ソ連、[[ジガ・ヴェルトフ]]監督)
* {{仮リンク|大地 (1930年の映画)|ru|Земля (фильм, 1930)|label=大地}}(1930年、ソ連、[[オレクサンドル・ドヴジェンコ]]監督)
* [[大地 (1930年の映画)|大地]](1930年、ソ連、[[オレクサンドル・ドヴジェンコ]]監督)
* [[街の灯]](1931年、アメリカ、チャーリー・チャップリン監督・主演)※サウンド版
* [[街の灯]](1931年、アメリカ、チャーリー・チャップリン監督・主演)※サウンド版
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* [[村の花嫁]](1928年、五所平之助監督)※現存せず
* [[村の花嫁]](1928年、五所平之助監督)※現存せず
* [[十字路 (1928年の映画)|十字路]](1928年、衣笠貞之助監督)
* [[十字路 (1928年の映画)|十字路]](1928年、衣笠貞之助監督)
* [[生ける人形]](1929年、[[内田吐夢]]監督)※現存せず
* [[生ける人形 (1929年の映画)|生ける人形]](1929年、[[内田吐夢]]監督)※現存せず
* [[斬人斬馬剣]](1929年、伊藤大輔監督)
* [[斬人斬馬剣]](1929年、伊藤大輔監督)
* [[首の座]](1929年、マキノ雅弘監督)※現存せず
* [[首の座]](1929年、マキノ雅弘監督)※現存せず
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* [[夜ごとの夢]](1933年、[[成瀬巳喜男]]監督)
* [[夜ごとの夢]](1933年、[[成瀬巳喜男]]監督)
* [[浮草物語]](1934年、小津安二郎監督)
* [[浮草物語]](1934年、小津安二郎監督)
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* [[子宝騒動]](1935年、[[斎藤寅次郎]]監督){{Div col end}}

=== トーキー以降 ===
===トーキー以降===
* [[ぼくの伯父さんの休暇]](1952年、フランス、[[ジャック・タチ]]監督)
* [[ぼくの伯父さんの休暇]](1953年、フランス、[[ジャック・タチ]]監督)
* [[メル・ブルックスのサイレント・ムービー]](1976年、アメリカ、[[メル・ブルックス]]監督)
* [[メル・ブルックスのサイレント・ムービー]](1976年、アメリカ、[[メル・ブルックス]]監督)
* [[クレイジー・ナッツ 早く起きてよ]](1998年、アメリカ、[[アイリス・イリオプロス]]監督)
* {{仮リンク|クレイジー・ナッツ 早く起きてよ|en|I Woke Up Early the Day I Died}}(1998年、アメリカ、[[アイリス・イリオプロス]]監督)
* [[白い花びら]](1999年、[[フィンランド]]、[[アキ・カウリスマキ]]監督)
* [[白い花びら]](1999年、[[フィンランド]]、[[アキ・カウリスマキ]]監督)
* [[アーティスト (映画)|アーティスト]](2011年、[[フランス]]、[[ミシェル・アザナヴィシウス]]監督)
* [[アーティスト (映画)|アーティスト]](2011年、[[フランス]]、[[ミシェル・アザナヴィシウス]]監督)
* [[ブランカニエベス]](2012年、[[スペイン]]・[[フランス]]、[[パブロ・ベルヘル]]監督)
* [[草原の実験]](2014年、[[ロシア]]、[[アレクサンドル・コット]]監督)
* [[レッドタートル ある島の物語]](2016年、[[フランス]]・[[日本]]、[[マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット]]監督)
* [[レッドタートル ある島の物語]](2016年、[[フランス]]・[[日本]]、[[マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット]]監督)
* {{仮リンク|Away (2019年の映画)|label=Away|en|Away (2019 film)}}(2019年、[[ラトビア]]、[[ギンツ・ジルバロディス]]監督)
* [[エンジェルサイン]](2019年、日本、[[北条司]]監督)
* [[幾多の北]](2021年、日本、[[山村浩二]]監督)
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==おもな監督==
== おもな監督 ==
''[[:Category:サイレント映画の監督]]''
''[[:Category:サイレント映画の監督]]''
===外国映画===
===外国映画===
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*[[ジョルジュ・メリエス]](1861-1938)
* [[ジョルジュ・メリエス]](1861-1938)
*[[D・W・グリフィス]](1875-1948)
* [[D・W・グリフィス]](1875-1948)
*[[ヴィクトル・シェストレム]](1979-1960)
* [[ヴィクトル・シェストレム]](1879-1960)
* [[マック・セネット]](1880-1960)
*[[セシル・B・デミル]](1881-1959)
* [[セシル・B・デミル]](1881-1959)
*[[エリッヒ・フォン・シュトロハイム]](1885-1957)
* [[エリッヒ・フォン・シュトロハイム]](1885-1957)
*[[F・W・ムルナウ]](1888-1931)
* [[F・W・ムルナウ]](1888-1931)
*[[チャールズ・チャップリン]](1889-1977)
*[[ール・テオドア・ドライヤー]](1889-1968)
* [[チャールチャップリン]](1889-1977)
*[[アベル・ガンス]](1889-1981)
* [[カール・テオドア・ドライヤー]](1889-1968)
*[[フリッツ]](1890-1976)
* [[アベル]](1889-1981)
* [[フリッツ・ラング]](1890-1976)
*[[エルンスト・ルビッチ]](1892-1947)
* [[エルンスト・ルビッチ]](1892-1947)
*[[フセヴォロド・プドフキン]](1893-1953)
*[[ジョン・フォド]](1894-1973)
* [[フセヴ・プドフキン]](1893-1953)
*[[ジョセフ・フォン・スタンバ]](1894-1969)
* [[ジョ・フォー]](1894-1973)
*[[ヴィダー]](1894-1982)
* [[ジョセフ・フォン・スタンバ]](1894-1969)
*[[ジガ・ヴェルトフ]](1896-1954)
* [[キング・ヴィダー]](1894-1982)
*[[ウィリアムA・ウェルマン]](1896-1975)
* [[バスターキートン]](1895-1966)
* [[ジガ・ヴェルトフ]](1896-1954)
*[[セルゲイ・エイゼンシュテイン]](1898-1948)
* [[ウィリアム・A・ウェルマン]](1896-1975)
*[[レフ・クレショフ]] (1899-1970)
* [[セルゲイ・エイゼンシュテイン]](1898-1948)
* [[レフ・クレショフ]] (1899-1970)
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===日本映画===
===日本映画===
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*[[牧野省三]](1878-1929)
* [[牧野省三]](1878-1929)
*[[野村芳亭]](1880-1934)
* [[野村芳亭]](1880-1934)
*[[トーマス・栗原]](1885-1926)
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*[[田中栄三]](1886-1968)
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*[[ヘンリー・小谷]](1887-1972)
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*[[帰山教正]](1893-1964)
* [[帰山教正]](1893-1964)
*[[村田実]](1894-1937)
* [[村田実]](1894-1937)
*[[衣笠貞之助]](1896-1982)
* [[衣笠貞之助]](1896-1982)
*[[島津保次郎]](1897-1945)
* [[島津保次郎]](1897-1945)
*[[牛原虚彦]](1897-1985)
* [[牛原虚彦]](1897-1985)
*[[溝口健二]](1898-1956)
* [[溝口健二]](1898-1956)
*[[内田吐夢]](1898-1970)
* [[内田吐夢]](1898-1970)
*[[伊藤大輔 (映画監督)|伊藤大輔]](1898-1981)
* [[伊藤大輔 (映画監督)|伊藤大輔]](1898-1981)
*[[伊丹万作]](1900-1946)
* [[伊丹万作]](1900-1946)
*[[五所平之助]](1902-1981)
* [[五所平之助]](1902-1981)
*[[小津安二郎]](1903-1963)
* [[小津安二郎]](1903-1963)
*[[成瀬巳喜男]](1905-1969)
* [[成瀬巳喜男]](1905-1969)
*[[斎藤寅次郎]](1905-1982)
* [[斎藤寅次郎]](1905-1982)
*[[稲垣浩]](1905-1980)
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*[[マキノ雅弘]] (1908-1993)
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*[[山中貞雄]](1909-1938)
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* [[エーリッヒ・ポマー]](1889-1966)
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* [[B・P・シュールバーグ]](1892-1957)
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* [[ジャック・ワーナー]](1892-1978)
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* [[アーヴィング・タルバーグ]](1899-1936)
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* [[メーベル・ノーマンド]](1892-1930)
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* [[メアリー・ピックフォード]](1892-1979)
* [[メアリー・ピックフォード]](1892-1979)
* [[フランチェスカ・ベルティーニ]] (1892-1985)
* [[ハロルド・ロイド]](1893-1971)
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* [[リリアン・ギッシュ]](1893-1993)
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* [[ノーマ・シアラー]](1902-1983)
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* [[ドロレス・デル・リオ]](1904-1983)
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* [[ジョーン・クロフォード]](1904-1977)
* [[アンナ・メイ・ウォン]](1905-1961)
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* [[クララ・ボウ]](1905-1965)
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* [[グレタ・ガルボ]](1905-1990)
* [[グレタ・ガルボ]](1905-1990)
* [[ジョーン・クロフォード]](1906-1977)
* [[ジャネット・ゲイナー]](1906-1984)
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* [[ルイーズ・ブルックス]](1906-1985)
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* [[五月信子]](1894-1959)
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* [[川田芳子]](1895-1970)
* [[川田芳子]](1895-1970)
* [[酒井米子]](1898-1958)
* [[大河内傳次郎]](1898-1962)
* [[大河内傳次郎]](1898-1962)
* [[渡辺篤 (俳優)|渡辺篤]](1898-1977)
* [[渡辺篤 (俳優)|渡辺篤]](1898-1977)
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* [[阪東妻三郎]](1901-1953)
* [[阪東妻三郎]](1901-1953)
* [[環歌子]](1901-1983)
* [[環歌子]](1901-1983)
* [[澤村春子]](1901-1989)
* [[柳さく子]](1902-1963)
* [[柳さく子]](1902-1963)
* [[月形龍之介]](1902-1970)
* [[月形龍之介]](1902-1970)
* [[江川宇礼雄]](1902-1970)
* [[江川宇礼雄]](1902-1970)
* [[栗島すみ子]](1902-1987)
* [[栗島すみ子]](1902-1987)
* [[浦辺粂子]](1902-1989)
* [[岡田嘉子]](1902-1992)
* [[岡田嘉子]](1902-1992)
* [[岡田時彦]](1903-1934)
* [[岡田時彦]](1903-1934)
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==関連項目==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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== 関連項目 ==
* [[活動弁士]]
* [[活動弁士]]
* [[活動写真]]
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* [[映画音楽]]
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2024年4月21日 (日) 06:03時点における最新版

サイレント映画の動画

サイレント映画(サイレントえいが)は、音声音響、特に俳優の語るセリフが入っていない映画のことである[1]

概要[編集]

無声映画(むせいえいが、無聲映畫)とも呼び、対概念はトーキー(発声映画)である[1]。サイレント映画のフィルムには音声トラックが存在しないが、トーキーフィルム登場後に音声トラックに劇伴を収録したサイレント映画を「サウンド版[2]、さらに日本では活動弁士による解説も収録したサウンド版を「解説版」と呼ぶ。このように、映画はもともとサイレントであったので、サイレント映画という呼称はレトロニムである。

19世紀後期の映画の発明以降の約40年間、1927年(昭和2年)に世界初のトーキー『ジャズ・シンガー』が発表・実用化されるまで、商業的に世界各国で製作・公開されていた映画は殆どがサイレント映画であった。サイレント期の劇映画は、パントマイム演技とカットタイトルの字幕によるセリフ・ト書きで表現する芸術であったが、日本では、各常設活動館(現在の映画館)に常駐した活動弁士による生の解説に負うところが大きかった[3]

日本では、1930年代前半(昭和初期)にトーキーに移行し始めたが、剣戟映画を中心に1938年(昭和13年)まではサウンド版を含めたサイレント映画が製作・公開されていた[4]。 また、トーキー・サウンド版定着初期はトーキー・サウンド版作品を上映できる設備がまだ整っていない映画館も多く、その映画館向けにトーキー・サウンド版作品を無声映画仕様に編集して上映していた。

歴史[編集]

ギネス世界記録が認定した世界初の映画『ラウンドヘイ・ガーデン・シーン』(1888年)の1カット。
巨大なセットが組まれた『イントレランス』(1916年)。

世界最初の映画は、1888年(明治21年)にルイ・ル・プランスが生み出した。オークウッド・グランジ庭園を歩き回る人々を撮影した上映時間2秒の作品で、タイトルは『ラウンドヘイ・ガーデン・シーンRoundhay Garden Scene である[5]。モーション・ピクチャー(活動写真)の芸術・技術は、「サイレント期」と呼ばれる時代に全面的に成熟し、その後1920年代末に、発声映画(トーキー)にとって替わった。多くの映画学者らは、新しく到来した「トーキー」に監督や俳優、スタッフたちが適応するまでの数年間、映画の美的クォリティは減少したと指摘している[6]

サイレント映画の映像美、とりわけ1920年代に製作された作品のクォリティは極めて高度である。しかしながら、一般には、原始的なものであり現代人の鑑賞に堪える代物ではないとの誤解が広く存在する。誤った速度で映写されるなどの技術的エラー(サイレント映画標準の16fpsで撮影[注 1]されているにもかかわらず24fpsで映写される等)や、オリジナルプリントの消失による質の低いデューププリントやフィルム断片しか現存していないなどの保存状態の悪さに由来する誤解である[6]

1927年(昭和2年)に世界初の長編商業トーキーとされる『ジャズ・シンガー』が出現するまでは、ほとんどがサイレント映画であった。音声がないという制約から様々な映画的テクニックが開発され、それは現代の映画にも引き継がれている。登場人物のせりふは字幕を挿入することで表現したが、俳優の演技は大袈裟なものにならざるを得なかった。

上映に際してはオーケストラバンドによる音楽伴奏が付くことが多かった。日本では、上映中の映画の進行に合わせて、その内容を解説する活動弁士(活弁士)が活躍し、徳川夢声のような人気弁士も現れた。

トーキーが実用化されてからは、サイレント映画に音楽のサウンドトラックを付加したものが上映され、これをサウンド版という。トーキー以後の時代にも、サイレント映画(多くは厳密にはサウンド版)として製作された作品も存在する。ジャック・タチメル・ブルックスアキ・カウリスマキらが、「その後のサイレント映画」を監督した映画作家である。

おもなサイレント映画[編集]

外国映画[編集]

日本映画[編集]

トーキー以降[編集]

おもな監督[編集]

Category:サイレント映画の監督

外国映画[編集]

日本映画[編集]

おもな製作者[編集]

おもな俳優[編集]

Category:サイレント映画の俳優

外国映画[編集]

日本映画[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 18fpsの場合もある。

出典[編集]

  1. ^ a b 無声映画デジタル大辞泉小学館コトバンク、2010年2月4日閲覧。
  2. ^ サウンド版、デジタル大辞泉、小学館、コトバンク、2010年2月4日閲覧。
  3. ^ 活弁士朝日新聞 2007年10月23日 夕刊2社会面「キーワード」、コトバンク、2010年2月4日閲覧。
  4. ^ 例 : 大前田英五郎(1938年)、日本映画データベース、2010年2月4日閲覧。
  5. ^ Guinness Book of Records, all editions.
  6. ^ a b Film History of the 1920s, Part 1. (英語)、2009年5月6日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]