「煙霧」の版間の差分

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{{Otheruses||クルアーンのスーラ|煙霧 (クルアーン)}}
[[Image:SG haze-skyline.JPG|thumb|right|300px|ビル群をかすませている煙霧、[[シンガポール]]]]
[[ファイル:Nicoll Highway, Oct 06.JPG|サムネイル|250px|濃い[[ヘイズ (気象)]]により、遠くのビルがうっすらとしか見えない。[[シンガポール]]]]
[[Image:USA Santa Monica Beach and pier CA.jpg|thumb|right|300px|海面に近い低空に広がる海辺の煙霧。海塩粒子によるもの]]
[[ファイル:070915HK Air Pollution.jpg|サムネイル|250px|日が傾き、煙霧が黄を帯びた乳白色を呈する。[[香港]]]]
[[Image:Nicoll Highway, Oct 06.JPG|thumb|right|300px|濃い煙霧が覆う高速道路沿いのビル街]]
[[ファイル:Japanese Weather symbol (Haze).svg|サムネイル|80px|煙霧の天気記号(日本式)]]
'''煙霧'''(えんむ、{{lang-en-short|haze}}, ヘイズ)とは、目に見えないほど小さい乾いた固体の[[浮遊粉塵|微粒子]]が空気中に浮いていて([[エアロゾル]])、[[視程]]が妨げられている現象のこと。
[[ファイル:Sky so Brown (8544249524).jpg|サムネイル|250px|主に[[北関東]]で舞い上がった土ぼこりの飛来と見られる煙霧、2013年3月10日、[[横浜市]]]]
[[ファイル:Asian Dust, NASA aerospace photography.jpg|サムネイル|250px|東アジアの広範囲を覆う煙霧。[[2002年]][[1月11日]]の衛星画像、NASA]]

'''煙霧'''(えんむ、{{Lang-en-short|haze}})とは、目に見えない乾いた[[粒子|微粒子]]が大気中に浮遊していて、[[視程]]が妨げられている現象。気象観測上は、視程が10[[キロメートル|km]]未満になっているとき<ref name="jmayougo">気象庁「天気予報等で用いる用語 > 氷、霜、霧、雷、日照時間 [https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kori.html#I18 煙霧]」、2015年4月6日閲覧</ref>。また煙霧のとき、[[湿度]]は75%未満の場合が多い<ref name="RMD">原田朗「煙霧」、『最新気象の事典』、p43、1993年 ISBN 4-490-10328-X</ref><ref name="hpc-60">[[#hpc|気象観測の手引き]]、p60、p64-65</ref>。発生源は、地面から舞い上がった[[塵|ちり]]や[[砂]]ぼこり、火事による[[煙]]、工場や自動車からの[[煤煙|ばい煙]]などさまざま。なお、大気汚染が原因であることが明らかな煙霧は「[[スモッグ]]」とも呼ばれる。

微粒子が太陽光を[[散乱]]するため、多くの場合は景色が乳白色に濁って見える。背景が明るいか、遠くに明るい色の物体があるときには、背景や物体は黄味を帯びた色、あるいは赤味を帯びた色になる。反対に暗いときには、青味がかった色になる。また、粒子自身に色が付いている時にはその色が反映される。これに対して、湿った微粒子で生じる[[靄]](もや)は灰色を呈することから、両者は区別されている<ref name="RMD"/><ref name="hpc-60"/>。


== 定義 ==
== 定義 ==
[[工場]]排気、[[自動車]]排気、あるいは[[山火事]]などから出た[[燃焼]]物由来の[[すす]]や煙(ばい煙)、物の破砕や産業活動で生じる[[粉塵|粉じん]]、[[風]]によって巻き上げられた[[塵|ちり]]や[[砂]]ぼこりといった、乾いた微粒子が浮遊している状態である。気象観測においては、視程10km未満の場合である<ref name="jmayougo"/>。ただし、以下に挙げるように発生源が明らかな場合は除外される<ref name="hpc-59">[[#hpc|気象観測の手引き]]、p59-60、p64</ref>ため、発生源がはっきりしない場合に「煙霧」とされることが多い。
[[風]]によって地面から巻き上げられた[[塵]]や[[砂]]ぼこり、[[煙]]、[[煤煙]]、[[火山]]から噴出して降下している[[火山灰]]、[[海塩粒子]]などが、風に流されて浮遊している状態を指す。火山灰と海塩粒子以外はいわゆる[[風塵]]と呼ばれる現象である。風塵は微粒子が舞い上がる現象、煙霧はそれによって視程が悪化する現象である。


# [[風塵|風じん]]([[風]]によって、[[塵|ちり]]や[[砂]]ぼこりが地面から巻き上げられる現象)および[[砂じんあらし]]<ref name="hpc-60"/>
[[日本]]の[[気象庁]]は、「乾いた微粒子によって視界([[視程]])が'''10km未満'''となった場合」を煙霧と定義している。一般的には、靄(もや)や霞(かすみ)とも呼ばれ、文学等の表現としてはこちらも多用される。ただし、気象学上は靄に別の定義があるため、気象予報等では靄と煙霧を明確に区別する。また、航空や惑星科学の分野など、慣習的に煙霧・スモッグ・靄・霧などをすべてひっくるめて[[ヘイズ (気象)|ヘイズ]](haze)と呼ぶ場合もある。
# [[ちり煙霧]](風で巻き上げられた(風じんによって発生した)ちりや砂ぼこりが、風が止んでからも、あるいは離れた場所に移動してからも浮遊している現象)<ref name="hpc-60"/>
# [[黄砂]]([[中国]]・[[モンゴル]]等の乾燥地帯由来のちり煙霧)<ref name="hpc-60"/>(日本のみ、国際気象通報式では定義されていない)
# 発生源が明らかな煙<ref name="hpc-60"/>
# 降灰([[火山灰]]の降下)<ref name="hpc-60"/>


[[気象庁]]以下の日本の[[気象官署]]が記録する「大気現象」のほか、[[地上天気図#国際式天気図|国際気象通報式]][[地上実況気象通報式|SYNOP]]の「天気」においては上記の定義を用いる。ただし、例えば人為的大気汚染による煙霧と風じんが同時に見られるなど複数の現象が発生している場合は、報告の優先順位の関係などから、別の現象として記録されることがある。
また、[[黄砂]]が飛来した場合は、黄砂による煙霧が発生する。気象庁の観測上は、煙霧と[[黄砂]]が別になっており、稀に薄い黄砂の場合は黄砂のみが観測されて煙霧が観測されない場合がある。


また、国内[[気象通報]]の「天気」([[地上天気図#日本式天気図|日本式天気図]]の[[Template:日本式天気記号|天気記号]])の記録においては、視程が2km未満の濃い煙霧に限り「煙霧」とする。さらに、日本の気象官署が記録する[[天気#分類|15種区分の「天気」]]<ref>[https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/mdrr/man/tenki_kigou.html 15種]区分の「天気」</ref>においては、視程が1km未満の非常に濃い煙霧に限り「煙霧」とする<ref name="hpc-59"/>。
また、気象現象の記録としては複数の現象が記録されるが、「[[天気]]」の記録としては1つに絞る必要がある(たとえば、晴れと雨が同時に存在する[[天気雨]]の場合でも、その時の「天気」を報告する際は1つの現象に絞り込む必要がある。この場合は「雨」となる。)。煙霧、ちり煙霧、黄砂、煙、降灰のいずれかまたは複数が発生しており、かつ視程が1km未満となっている場合または、[[雲量]]が10の場合(晴れているのか雲が出ているのか分からない場合)、その時の「天気」を「煙霧」とすると規定されている。


煙霧は気象学以外においては定義が明確ではなく、靄や霞(かすみ)と呼ぶ場合がある。[[文学]]上の表現としてはこちらのほうが多用される。また、[[航空]]や[[惑星科学]]の分野においては、慣習的に煙霧・スモッグ・靄・霧などをすべてひっくるめて視程を悪化させるもの全般を煙霧の英称である「[[ヘイズ (気象)|ヘイズ]]」(haze)と呼ぶ場合がある。
風が止んだ後もエアロゾル粒子が空気中に浮いていて、視程が妨げられている現象は「'''[[塵煙霧]]'''(ちりえんむ)」と呼ばれる。気象現象としては、塵煙霧は視程が2km未満と定義されている。


== 煙霧霧の区別 ==
== 原因影響 ==
煙霧には、自然要因と人為的要因がある。
類似の現象として、[[液体]]の微粒子(おもに微小な[[水滴]]からなる。)が浮遊している「[[霧]]」や「[[靄]]」がある。目視だけでは、これらと煙霧を区別できない場合があり、以下のように'''[[湿度]]'''を基準に区別する。


風じんやちり煙霧などの土壌粒子由来の煙霧が起きやすいのは、乾燥して強風が吹くときである。例えば、2013年3月10日、関東地方では折からの乾燥と強風により、主に[[北関東]]の[[農地]]などから砂ぼこりが巻き上げられて広範囲に拡散した<ref name="nikkei130312">「[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1101L_R10C13A3000000/ 関東で大騒ぎになった「視界不良」 黄砂と煙霧どこが違う?]」日本経済新聞、2013年3月12日付、2015年4月4日閲覧</ref>。この日、[[前橋市|前橋]]では朝から「煙霧」の後昼頃から「風じん」を伴う状況<ref name="jma1303Maebashi">「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 [https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=42&block_no=47624&year=2013&month=3&day=10 前橋]」、気象庁、2015年10月12日閲覧</ref>、[[熊谷市|熊谷]]では昼に「風じん」の後「ちり煙霧」<ref name="jma1303Kumagaya">「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 [https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=43&block_no=47626&year=2013&month=3&day=10 熊谷]」、気象庁、2015年10月12日閲覧</ref>、[[水戸市|水戸]]では朝から断続的に「煙霧」<ref name="jma1303Mito">「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 [https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=40&block_no=47629&year=2013&month=3&day=10 水戸]」、気象庁、2015年10月12日閲覧</ref>、[[千代田区|東京]]では昼過ぎに「煙霧」<ref name="jma1303Tokyo">「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 [https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2013&month=3&day=10 東京]」、気象庁、2015年10月12日閲覧</ref>、[[横浜市|横浜]]では昼過ぎに「ちり煙霧」<ref name="jma1303Yokohama">「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 [https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=46&block_no=47670&year=2013&month=3&day=10 横浜]」、気象庁、2015年10月12日閲覧</ref>、[[千葉市|千葉]]・[[館山市|館山]]では朝から断続的に「煙霧」<ref name="jma1303Chiba">「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 [https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=45&block_no=47682&year=2013&month=3&day=10 千葉]」および「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 [https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=45&block_no=47672&year=2013&month=3&day=10 館山]」、気象庁、2015年10月12日閲覧</ref>、[[銚子市|銚子]]では昼前から「煙霧」で15:00前後には「砂じんあらし」を伴う状況となり<ref name="jma1303Choshi">「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 [https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=45&block_no=47648&year=2013&month=3&day=10 銚子]」、気象庁、2015年10月12日閲覧</ref>、
気象庁は、煙霧または霧・靄と見られる現象が発生しているとき、湿度が75%以上ならば霧や靄、75%未満ならば煙霧と定義している。
各地で視程が2 - 3km程度まで低下した{{R|nikkei130312|jma1303Maebashi|jma1303Kumagaya|jma1303Mito|jma1303Tokyo|jma1303Yokohama|jma1303Chiba|jma1303Choshi}}。


[[砂漠]]や乾燥地帯では激しい[[砂嵐]]による煙霧が発生しうる。[[中華人民共和国|中国]]・[[モンゴル]]の砂漠・乾燥地帯を起源とする[[黄砂]]は沿岸部や[[大韓民国|韓国]]・[[日本]]にも飛来しており、気象当局による観測や予報が行われている。上空高くに達したちりや砂の微粒子は、遠方まで運ばれることがある。[[黄砂]]のほか、[[西アフリカ]]の[[ハルマッタン]]、[[北アフリカ]]や[[中東]]の[[シムーン]]や[[ハムシン]]、[[地中海]]沿岸の[[シロッコ]]・[[ギブリ]]、[[ペルシャ湾]]岸の[[シャマール]]、[[オーストラリア]]南部の[[ブリックフィールダー]]などは、こうしたちりや砂を主成分とした煙霧を、発生地から数千km離れた地域にもたらすことで知られる。
また、煙霧の発生後に気温の低下によって湿度が高くなったりすると、煙霧と'''同時に'''霧や靄が発生することがある(個体の微粒子と液体の微粒子が同時に浮遊している状態)。よって、たとえ煙霧が発生していたとしても、霧が混じっている時は霧、靄が混じっているときは靄として、それぞれ扱われる。そのため煙霧として扱われる場合には[[湿度]]が低い場合が多い。


[[森林]]や[[草原]]では砂塵が巻き上がりにくいが、乾期に山火事が発生したり、[[焼畑農業]]による煙が発生したりして煙霧が発生しうる。[[東南アジア]]では、[[インドネシア]]での[[アブラヤシ]]の焼畑や[[マレーシア]]での[[野焼き]]などによる[[ばい煙]]が煙霧となり、国境を越えて周囲に広がり国際問題となっている。
== 煙霧の原因と影響 ==
{{seealso|ヘイズ (気象)}}
煙霧が起きやすいのは、湿度が低く大気や地面が乾燥した状態が続いた後である。この状態で風が吹くと、エアロゾル粒子が舞い上がって浮遊し始める。


工業地帯や都市部では、人為的に排出される微粒子が煙霧を引き起こす。主な組成として、すす(黒色炭素)、[[硫酸塩]]、[[硝酸塩]]、[[アンモニウム]]などが挙げられる<ref>「[https://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17948 「黄砂実態解明調査報告書(平成15〜24年度)」の公表について(お知らせ)]」環境省、2014年3月27日</ref>。日本でも、[[第二次世界大戦]]前後の昭和前期には都市部で顕著な煙霧が発生していた。視程2km以下の「濃煙霧」の日数の統計を見ると、東京では1940年(昭和15年)頃に年間30日前後、1955年(昭和30年)頃には年間60日前後であった。さらに[[大阪市|大阪]]では1940年頃に年間60日前後、1955年頃には年間120日前後と、1年の3分の1が煙霧という激しい大気汚染に見舞われていた時期があった。当時の煙霧の発生頻度は工業生産と相関性があり、工業生産が下火となった戦時中に大きく減少した後[[朝鮮特需]]の増産により急増したほか、日曜日には発生しにくいという特徴があった。また、汚染の主体が[[石炭]]の燃焼による煤煙であり、季節では[[冬]]季に集中し、[[逆転層]]が発達する[[朝]]に発生して[[昼]]に消失する経過を辿ることが多かった<ref>三谷一郎「{{PDFLink|[https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/1961/1961_05_0156.pdf 東京の濃煙霧日数についての考察]}}」、日本気象学会『天気』、8巻、5号、p156-159 {{NAID|40018075450}}</ref>。
煙霧には非常に顕著な地域性がある。一般的に、[[砂漠]]や乾燥地帯では激しい煙霧([[砂嵐]])が発生する一方、[[森林]]や湿潤な[[草原]]では煙霧はほとんど発生しない。ただし、乾期を中心に大規模な[[山火事|森林火災]]が発生することがあり、この煙が風に流されて運ばれ煙霧となることがある。[[東南アジア]]では[[熱帯雨林]]の[[焼畑農業|焼畑]]に伴う煙が流れ込んで頻繁に煙霧が発生しており、国際的な社会問題となっている。


また工業地帯や都市部では、特に晴れて風の弱い夜間、[[逆転層]]が発達して排出された汚染された汚染物質が閉じ込められ、「煙霧層」と呼ばれる煙霧と清浄な層の境目が生じることがある。これはしばしば日中も残り、遠くの高い所から見ると青空との境目として目視できる<ref name="RMD"/>。
また、季節により植生や地表の乾燥度が変わることで、煙霧の量も大きく変化する。


光化学スモッグも煙霧を伴う。日本では[[1970年代]]に急増して社会問題となったが、[[2000年代]]に再び増加している。国内の観測点の[[窒素酸化物|NOx]]や非メタン[[炭化水素]](NMHC)の濃度が長期的に減少傾向にあるのに対して、[[光化学オキシダント|Ox]]濃度やNOx中に占める[[二酸化窒素|NO2]]の比率が上昇傾向にある。また従来より[[関西]]や[[関東]]の都市部で[[夏]]を中心に濃度上昇がみられたが、国内の排出の影響を受けにくい[[日本海側]]や[[離島]]部でも、西風が卓越する[[春]]や[[秋]]を中心に濃度上昇が観測されている。その原因として主に中国沿岸部など東アジアからの越境輸送が挙げられ、例えば本州付近でのオゾン濃度の1 - 2割は日本を除く東アジア由来、また離島では東アジア由来が2 - 3割・[[ヨーロッパ]]と[[北アメリカ]]由来がそれぞれ1割との推定があり、地球規模での汚染物質の輸送も関与している<ref>{{PDFLink|[https://www.env.go.jp/air/osen/pc_oxidant/conf/ir/full.pdf 光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会報告書 中間報告]}} 2007年12月、環境省。</ref>。
また、[[海]]上や[[海岸]]ではしぶきの蒸発によってできる海塩粒子、[[砂漠]]や乾燥地域では[[砂嵐]]、[[工業地帯]]や[[都市]]では排煙などの[[大気汚染]]によって、それぞれ煙霧がおきやすい。


== 煙霧の形成 ==
とくに、大気汚染による煙霧は[[スモッグ]]とも呼ばれる。ただし、もともとスモッグは大気汚染により発生した、煙霧を含む濃い霧を指す言葉であり、現在の用法とは若干異なる。
[[File:Kohler curves.png|thumb|300px|ケーラー曲線の例。直径0.05, 0.1, 0.5 μmの固体球形の[[塩化ナトリウム]]粒子が[[過飽和]]度の大小に対してどの位の大きさの液滴を形成するかを示す。湿度80 %で0.05 μmの粒子は約0.25 μmの液滴、0.1 μmは約0.7 μm、0.5 μmは約5 μmにそれぞれ膨潤する。]]
煙霧の微粒子は、[[ナノメートル]](nm)から[[マイクロメートル]](μm)の大きさを中心とする[[大気エアロゾル粒子]]である。


煙霧を構成する微粒子の大きさは主に0.1μmを下回るオーダーである。これは[[光]]の波長よりも小さく、[[レイリー散乱]]を引き起こすため、背景の明るさに応じて煙霧は赤みを帯びたり青みを帯びたりする<ref name="ams-haze">"[http://glossary.ametsoc.org/wiki/Haze Haze]", 2012-04-25の版. ''Glossary of Meteorology'', American Meteorological Society.</ref>。
ちなみに、湿度が低く霧や靄に分類されない霧でも、液体の微粒子が多少は含まれており、これも視程の低下に寄与している。そのため、例えば黄砂のかすみは、ふつう黄砂だけではなく、靄によるかすみも含まれている。


微粒子が吸湿性の場合、湿度が100%以下の環境でも、粒子が水蒸気を吸収して微小な液滴を形成する([[潮解]])。特に、硫酸塩や硝酸塩などの化学物質の微粒子では、[[純水]]に比べて[[飽和水蒸気圧]]が小さいため、容易に液滴を形成する。液滴と相対湿度の関係は[[ラウールの法則]]と[[ケルビン方程式]]を組み合わせたケーラーの式で表され、元となる化学物質により固有の値をとる。そのグラフはケーラー曲線(参考:{{仮リンク|ケーラー理論|en|Köhler theory}})と呼ばれている<ref name="u4r">「[https://web.archive.org/web/20130221151258/http://www.geocities.jp/u4ren6/Main2/Excel_Data0063.html エクセルのグラフで学ぶ気象学 0063 煙霧と霞の成長]」、2015年4月4日閲覧</ref>。
== 出典 ==

*[http://www.rikanenpyo.jp/FAQ/kisyo/faq_kisyo_003.html 天気の種類はいくつあるのですか。その記号も教えてください。] 理科年表 FAQ 気象部
ケーラー曲線において、大気中に見られる吸湿性粒子を核とする液滴の多くは、湿度の増大に伴って直径が増していく。これを"エアロゾル膨潤(Aerosol Swelling)"という。湿度が100%近くになると曲線はほぼ水平となり、水蒸気をどんどん吸収して直径が増し続ける状態([[核生成|凝結核]]が活性化した状態)となり、以降この水滴は[[雲粒]]、つまり霧や雲と同じような振る舞いをする。湿度が70% - 80%程度を境にして、これより湿った環境では粒子径が増大して[[ミー散乱]]の領域に入る。ミー散乱では光の波長に関係なく散乱が起こるので、着色が起こりにくく粒子は灰色を呈する。この状態がもやであり、濃くなると霧あるいはスモッグとなる<ref name="u4r"/><ref name="ams-haze"/>。
*[http://www.osaka-jma.go.jp/nara/knowledge/fog/fog2.htm 第7号 霧と視界はどういう関係があるの?] 奈良地方気象台 気象歳時記

このような吸湿性の微粒子による煙霧を"damp haze"(湿った煙霧)と言い、これに対して通常の乾いた微粒子による煙霧を"dry haze"(乾いた煙霧)として区別することがある<ref name="ams-haze"/>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Anchors|hpc}}気象庁「[https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/hpc.html 気象観測の手引き]」、平成10年(1998年)9月


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commonscat|haze}}
*[[スモッグ]]
* [[ヘイズ (気象)]]
* [[スモッグ]]
* [[煙害]]
* [[分散系]]

== 外部リンク ==
* 福岡管区気象台 [https://www.jma-net.go.jp/fukuoka/tsushin/haze_observation/haze_observation.html 煙霧観測情報(実況図)] - 九州・中国・四国各地方と東シナ海・黄海沿岸の煙霧観測状況
* 理科年表 FAQ 気象部 [https://web.archive.org/web/20110406173227/http://www.rikanenpyo.jp/FAQ/kisyo/faq_kisyo_003.html 天気の種類はいくつあるのですか。その記号も教えてください。]


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Image:Japanese Weather symbol (Haze).svg|煙霧の天気記号(日本式)
Image:HazeHeigheidNederrijnRhenen.JPG|煙霧により遠くの景色がかすんでいる
Image:SG haze-obscured-sun 2.JPG|煙霧でかすむ太陽
Image:Asian Dust, NASA aerospace photography.jpg|東アジアの広範囲を覆う煙霧
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2024年4月27日 (土) 14:14時点における最新版

濃いヘイズ (気象)により、遠くのビルがうっすらとしか見えない。シンガポール
日が傾き、煙霧が黄を帯びた乳白色を呈する。香港
煙霧の天気記号(日本式)
主に北関東で舞い上がった土ぼこりの飛来と見られる煙霧、2013年3月10日、横浜市
東アジアの広範囲を覆う煙霧。2002年1月11日の衛星画像、NASA

煙霧(えんむ、: haze)とは、目に見えない乾いた微粒子が大気中に浮遊していて、視程が妨げられている現象。気象観測上は、視程が10km未満になっているとき[1]。また煙霧のとき、湿度は75%未満の場合が多い[2][3]。発生源は、地面から舞い上がったちりぼこり、火事による、工場や自動車からのばい煙などさまざま。なお、大気汚染が原因であることが明らかな煙霧は「スモッグ」とも呼ばれる。

微粒子が太陽光を散乱するため、多くの場合は景色が乳白色に濁って見える。背景が明るいか、遠くに明るい色の物体があるときには、背景や物体は黄味を帯びた色、あるいは赤味を帯びた色になる。反対に暗いときには、青味がかった色になる。また、粒子自身に色が付いている時にはその色が反映される。これに対して、湿った微粒子で生じる(もや)は灰色を呈することから、両者は区別されている[2][3]

定義[編集]

工場排気、自動車排気、あるいは山火事などから出た燃焼物由来のすすや煙(ばい煙)、物の破砕や産業活動で生じる粉じんによって巻き上げられたちりぼこりといった、乾いた微粒子が浮遊している状態である。気象観測においては、視程10km未満の場合である[1]。ただし、以下に挙げるように発生源が明らかな場合は除外される[4]ため、発生源がはっきりしない場合に「煙霧」とされることが多い。

  1. 風じんによって、ちりぼこりが地面から巻き上げられる現象)および砂じんあらし[3]
  2. ちり煙霧(風で巻き上げられた(風じんによって発生した)ちりや砂ぼこりが、風が止んでからも、あるいは離れた場所に移動してからも浮遊している現象)[3]
  3. 黄砂中国モンゴル等の乾燥地帯由来のちり煙霧)[3](日本のみ、国際気象通報式では定義されていない)
  4. 発生源が明らかな煙[3]
  5. 降灰(火山灰の降下)[3]

気象庁以下の日本の気象官署が記録する「大気現象」のほか、国際気象通報式SYNOPの「天気」においては上記の定義を用いる。ただし、例えば人為的大気汚染による煙霧と風じんが同時に見られるなど複数の現象が発生している場合は、報告の優先順位の関係などから、別の現象として記録されることがある。

また、国内気象通報の「天気」(日本式天気図天気記号)の記録においては、視程が2km未満の濃い煙霧に限り「煙霧」とする。さらに、日本の気象官署が記録する15種区分の「天気」[5]においては、視程が1km未満の非常に濃い煙霧に限り「煙霧」とする[4]

煙霧は気象学以外においては定義が明確ではなく、靄や霞(かすみ)と呼ぶ場合がある。文学上の表現としてはこちらのほうが多用される。また、航空惑星科学の分野においては、慣習的に煙霧・スモッグ・靄・霧などをすべてひっくるめて視程を悪化させるもの全般を煙霧の英称である「ヘイズ」(haze)と呼ぶ場合がある。

原因と影響[編集]

煙霧には、自然要因と人為的要因がある。

風じんやちり煙霧などの土壌粒子由来の煙霧が起きやすいのは、乾燥して強風が吹くときである。例えば、2013年3月10日、関東地方では折からの乾燥と強風により、主に北関東農地などから砂ぼこりが巻き上げられて広範囲に拡散した[6]。この日、前橋では朝から「煙霧」の後昼頃から「風じん」を伴う状況[7]熊谷では昼に「風じん」の後「ちり煙霧」[8]水戸では朝から断続的に「煙霧」[9]東京では昼過ぎに「煙霧」[10]横浜では昼過ぎに「ちり煙霧」[11]千葉館山では朝から断続的に「煙霧」[12]銚子では昼前から「煙霧」で15:00前後には「砂じんあらし」を伴う状況となり[13]、 各地で視程が2 - 3km程度まで低下した[6][7][8][9][10][11][12][13]

砂漠や乾燥地帯では激しい砂嵐による煙霧が発生しうる。中国モンゴルの砂漠・乾燥地帯を起源とする黄砂は沿岸部や韓国日本にも飛来しており、気象当局による観測や予報が行われている。上空高くに達したちりや砂の微粒子は、遠方まで運ばれることがある。黄砂のほか、西アフリカハルマッタン北アフリカ中東シムーンハムシン地中海沿岸のシロッコギブリペルシャ湾岸のシャマールオーストラリア南部のブリックフィールダーなどは、こうしたちりや砂を主成分とした煙霧を、発生地から数千km離れた地域にもたらすことで知られる。

森林草原では砂塵が巻き上がりにくいが、乾期に山火事が発生したり、焼畑農業による煙が発生したりして煙霧が発生しうる。東南アジアでは、インドネシアでのアブラヤシの焼畑やマレーシアでの野焼きなどによるばい煙が煙霧となり、国境を越えて周囲に広がり国際問題となっている。

工業地帯や都市部では、人為的に排出される微粒子が煙霧を引き起こす。主な組成として、すす(黒色炭素)、硫酸塩硝酸塩アンモニウムなどが挙げられる[14]。日本でも、第二次世界大戦前後の昭和前期には都市部で顕著な煙霧が発生していた。視程2km以下の「濃煙霧」の日数の統計を見ると、東京では1940年(昭和15年)頃に年間30日前後、1955年(昭和30年)頃には年間60日前後であった。さらに大阪では1940年頃に年間60日前後、1955年頃には年間120日前後と、1年の3分の1が煙霧という激しい大気汚染に見舞われていた時期があった。当時の煙霧の発生頻度は工業生産と相関性があり、工業生産が下火となった戦時中に大きく減少した後朝鮮特需の増産により急増したほか、日曜日には発生しにくいという特徴があった。また、汚染の主体が石炭の燃焼による煤煙であり、季節では季に集中し、逆転層が発達するに発生してに消失する経過を辿ることが多かった[15]

また工業地帯や都市部では、特に晴れて風の弱い夜間、逆転層が発達して排出された汚染された汚染物質が閉じ込められ、「煙霧層」と呼ばれる煙霧と清浄な層の境目が生じることがある。これはしばしば日中も残り、遠くの高い所から見ると青空との境目として目視できる[2]

光化学スモッグも煙霧を伴う。日本では1970年代に急増して社会問題となったが、2000年代に再び増加している。国内の観測点のNOxや非メタン炭化水素(NMHC)の濃度が長期的に減少傾向にあるのに対して、Ox濃度やNOx中に占めるNO2の比率が上昇傾向にある。また従来より関西関東の都市部でを中心に濃度上昇がみられたが、国内の排出の影響を受けにくい日本海側離島部でも、西風が卓越するを中心に濃度上昇が観測されている。その原因として主に中国沿岸部など東アジアからの越境輸送が挙げられ、例えば本州付近でのオゾン濃度の1 - 2割は日本を除く東アジア由来、また離島では東アジア由来が2 - 3割・ヨーロッパ北アメリカ由来がそれぞれ1割との推定があり、地球規模での汚染物質の輸送も関与している[16]

煙霧の形成[編集]

ケーラー曲線の例。直径0.05, 0.1, 0.5 μmの固体球形の塩化ナトリウム粒子が過飽和度の大小に対してどの位の大きさの液滴を形成するかを示す。湿度80 %で0.05 μmの粒子は約0.25 μmの液滴、0.1 μmは約0.7 μm、0.5 μmは約5 μmにそれぞれ膨潤する。

煙霧の微粒子は、ナノメートル(nm)からマイクロメートル(μm)の大きさを中心とする大気エアロゾル粒子である。

煙霧を構成する微粒子の大きさは主に0.1μmを下回るオーダーである。これはの波長よりも小さく、レイリー散乱を引き起こすため、背景の明るさに応じて煙霧は赤みを帯びたり青みを帯びたりする[17]

微粒子が吸湿性の場合、湿度が100%以下の環境でも、粒子が水蒸気を吸収して微小な液滴を形成する(潮解)。特に、硫酸塩や硝酸塩などの化学物質の微粒子では、純水に比べて飽和水蒸気圧が小さいため、容易に液滴を形成する。液滴と相対湿度の関係はラウールの法則ケルビン方程式を組み合わせたケーラーの式で表され、元となる化学物質により固有の値をとる。そのグラフはケーラー曲線(参考:ケーラー理論英語版)と呼ばれている[18]

ケーラー曲線において、大気中に見られる吸湿性粒子を核とする液滴の多くは、湿度の増大に伴って直径が増していく。これを"エアロゾル膨潤(Aerosol Swelling)"という。湿度が100%近くになると曲線はほぼ水平となり、水蒸気をどんどん吸収して直径が増し続ける状態(凝結核が活性化した状態)となり、以降この水滴は雲粒、つまり霧や雲と同じような振る舞いをする。湿度が70% - 80%程度を境にして、これより湿った環境では粒子径が増大してミー散乱の領域に入る。ミー散乱では光の波長に関係なく散乱が起こるので、着色が起こりにくく粒子は灰色を呈する。この状態がもやであり、濃くなると霧あるいはスモッグとなる[18][17]

このような吸湿性の微粒子による煙霧を"damp haze"(湿った煙霧)と言い、これに対して通常の乾いた微粒子による煙霧を"dry haze"(乾いた煙霧)として区別することがある[17]

脚注[編集]

  1. ^ a b 気象庁「天気予報等で用いる用語 > 氷、霜、霧、雷、日照時間 煙霧」、2015年4月6日閲覧
  2. ^ a b c 原田朗「煙霧」、『最新気象の事典』、p43、1993年 ISBN 4-490-10328-X
  3. ^ a b c d e f g 気象観測の手引き、p60、p64-65
  4. ^ a b 気象観測の手引き、p59-60、p64
  5. ^ 15種区分の「天気」
  6. ^ a b 関東で大騒ぎになった「視界不良」 黄砂と煙霧どこが違う?」日本経済新聞、2013年3月12日付、2015年4月4日閲覧
  7. ^ a b 「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 前橋」、気象庁、2015年10月12日閲覧
  8. ^ a b 「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 熊谷」、気象庁、2015年10月12日閲覧
  9. ^ a b 「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 水戸」、気象庁、2015年10月12日閲覧
  10. ^ a b 「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 東京」、気象庁、2015年10月12日閲覧
  11. ^ a b 「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 横浜」、気象庁、2015年10月12日閲覧
  12. ^ a b 「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 千葉」および「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 館山」、気象庁、2015年10月12日閲覧
  13. ^ a b 「過去の気象データ検索 : 2013年3月10日 1時間ごとの値 銚子」、気象庁、2015年10月12日閲覧
  14. ^ 「黄砂実態解明調査報告書(平成15〜24年度)」の公表について(お知らせ)」環境省、2014年3月27日
  15. ^ 三谷一郎「東京の濃煙霧日数についての考察 (PDF) 」、日本気象学会『天気』、8巻、5号、p156-159 NAID 40018075450
  16. ^ 光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会報告書 中間報告 (PDF) 2007年12月、環境省。
  17. ^ a b c "Haze", 2012-04-25の版. Glossary of Meteorology, American Meteorological Society.
  18. ^ a b エクセルのグラフで学ぶ気象学 0063 煙霧と霞の成長」、2015年4月4日閲覧

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]