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'''編曲家'''(へんきょくか、{{lang-en-short|music arranger}})は[[曲]]を行う者のことをいう
| 独自研究 = 2016年9月
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'''編曲家'''(へんきょくか、{{lang-en-short|music arranger}})は、既存の[[音楽]]作品([[楽曲]][[編曲]]する人のことであり、特にそれを[[職業]]とする人指す
==日本における編曲家==
[[日本語]]では編曲家を'''アレンジャー'''と呼ぶこともある。アレンジャーの原義は物事を整える者であり、主に[[日本]]における[[ポピュラー音楽]][[歌謡曲]]({{lang|en|[[J-POP]]}}等含む)[[制作]][[編曲]]を行うを指す。しかし、本来、英語で「{{lang|en|arranger}}」といえば、「[[手配師]]」を指す言葉である。


== 日本における編曲家 ==
日本のポピュラー音楽の歌謡曲(J-POP等含む)制作における編曲とは、作曲者([[作曲家]]、[[アーティスト]])[[旋律]]([[メロディ]])に対して[[伴奏]]をつける作業を指す。
日本のポピュラー音楽における編曲とは、[[作曲家]]の旋律([[メロディ]])に対して[[伴奏]]をつける作業を指す。


日本では編曲家を'''アレンジャー'''と呼ぶこともある。アレンジャーの原義は物事を整える者であり、主にポピュラー音楽の制作で編曲を行うを指す。しかし、英語で「{{lang|en|arranger}}」といえば、「[[手配師]]」を指す言葉である。海外では、編曲者も含めて作曲者とすることが多く編曲家(アレンジャー)という職業はあまり定着していない。また日本国内の広告や劇中伴奏([[劇伴]])の音楽制作等においても稀。日本のポピュラー音楽における特有の職業ともいえる。
編曲は[[音楽ジャンル]]や演奏形態によって多種多様に変化し、放送機器、録音機器等の知識も必要な、[[音楽理論]]にとどまらず音楽制作全般に関する知識と技術を要求される。故に経験を重ねたポピュラー音楽の[[演奏家]]([[スタジオミュージシャン]])や音楽理論精通した作曲家が編曲を行っている事が多かったが、近年は音楽制作のコンピュー化が進み[[ミュージックーケンサー]]、[[シンイザー]]、[[デジタルオーディオワークステーション]](DAW)等の高度な技術を有した演奏家、作曲家が行っている事が多い。


編曲は[[音楽のジャンル一覧|音楽のジャンル]]や演奏形態によって多種多様に変化し、録音機器等の知識も必要なため、[[音楽理論]]にとどまらず音楽制作全般に関する知識と技術を要求される。そのため、経験を重ねた演奏家([[スタジオミュージシャン]])や音楽理論精通した作曲家が編曲をことが多かったが、近年は音楽制作のデジ化が進み[[シンイザー]]、[[ミュージックーケンサー]]、[[デジタルオーディオワークステーション]](DAW)等の高度な知識と技術を有した演奏家、作曲家が行うことが多い。
編曲された[[楽曲]]に対して演奏パートに特化した編曲家が部分的な編曲を行うもある(例:[[編曲#ストリングス|トリスアレンジ]]、[[編曲#ギター|ギターアレンジ]]、[[編曲#管楽器|ブラスアレンジ]]、[[編曲#コーラス|コーラスアレンジ]]等)


編曲された楽曲に対して演奏パートに特化した編曲家が部分的な編曲を行うこともある(例:[[ストリングス]]アレンジ、[[ブラド|ブラ]]アレンジ、[[ギター]]アレンジ、[[コーラス (ポピュラー音楽)|コーラス]]アレンジ等)
編曲家は本来[[レコード会社]]、制作会社、アーティストマネージメント会社等の[[ディレクター]][[音楽プロデューサー]]の指示を受け編曲をするが、自らの判断で編曲する場合「サウンドプロデューサー」と記される場合もある。特に基準はく区別や権限は曖昧である。また既存の楽曲の伴奏を変える[[リミックス]]、リアレンジ(再編曲)では「リミキサー」と記される場合もある。


編曲家は[[レコード会社]]、[[音楽出版]]、[[芸能事務所]]等の[[音楽プロデューサー]]、[[ディレクター#音楽制作|ディレクター]]の指示を受け編曲をすることが多いが、自らの判断で編曲する場合「サウンドプロデューサー」と記される場合もある。特に基準は区別や権限は曖昧である。既存の楽曲の伴奏を変える[[リミックス]]、リアレンジ(再編曲)では「リミキサー」と記される場合もある。
作曲(旋律、メロディー)と異なり、[[編曲]](伴奏、[[音色]]、演奏スタイル等)は[[著作権]]法上は[[二次的著作物]]とされており、現在の日本では通例編曲家に対する[[印税]]分配は無い。その為、編曲家の既存楽曲からの安直な引用を問題視する声もある。(サウンドプロデューサー扱いの場合はプロデュース印税となるが、これは著作権印税ではなく原盤印税(著作隣接権)からの分配である。)


[[著作権法]]では、編曲は[[二次的著作物]]とされており、編曲にも[[著作権]]が発生する。ただし、[[日本音楽著作権協会|JASRAC]]の使用料規程では印税の分配を受けられるのは「公表時編曲者」(楽曲が初めてCD化された際の編曲家)に限定されている。現在の日本では編曲は買い取りが中心で、実際に編曲家に[[印税]]が支払われる例は少ないとされる(サウンド・プロデューサー扱いの場合はプロデュース印税が支払われるが、これは著作権に基づく著作権印税ではなく、[[著作隣接権]]に基づく原盤印税からの分配である)。
日本以外の国では編曲(伴奏)者も含めて作曲者とする事が多く編曲家(アレンジャー)という職業はあまり定着していない。また日本国内の広告や劇中伴奏([[劇伴]])の音楽制作等においても稀。日本のポピュラー音楽の歌謡曲(J-POP等含む)制作における特有の職業とも言える。


日本における編曲家は、自身の作曲した作品だけでなく他者により制作された作品をさらに編集(アレンジ)する者が多数を占める。
==関連項目==
*[[音楽プロデューサー]]
*[[スタジオ・ミュージシャン]]
*[[編曲家一覧]]


== 関連書籍 ==
{{音楽}}
* [[ディスクユニオン|DU BOOKS]]『ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち』(川瀬泰雄・吉田格・梶田昌史・田渕浩久 著)ISBN 978-4-907583-79-8


== 関連項目 ==
* [[音楽プロデューサー]]
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編曲家(へんきょくか、: music arranger)は、既存の音楽作品(楽曲)を編曲する人のことであり、特にそれを職業とする人を指す。

日本における編曲家[編集]

日本のポピュラー音楽における編曲とは、作曲家の旋律(メロディ)に対して伴奏をつける作業を指す。

日本では、編曲家をアレンジャーと呼ぶこともある。アレンジャーの原義は物事を整える者であり、主にポピュラー音楽の制作で編曲を行う者を指す。しかし、英語で「arranger」といえば、「手配師」を指す言葉である。海外では、編曲者も含めて作曲者とすることが多く編曲家(アレンジャー)という職業はあまり定着していない。また日本国内の広告や劇中伴奏(劇伴)の音楽制作等においても稀。日本のポピュラー音楽における特有の職業ともいえる。

編曲は、音楽のジャンルや演奏形態によって多種多様に変化し、録音機器等の知識も必要なため、音楽理論にとどまらず音楽制作全般に関する知識と技術を要求される。そのため、経験を重ねた演奏家(スタジオ・ミュージシャン)や音楽理論で精通した作曲家が編曲をことが多かったが、近年は音楽制作のデジタル化が進みシンセサイザーミュージックシーケンサーデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)等の高度な知識と技術を有した演奏家、作曲家が行うことが多い。

編曲された楽曲に対して、演奏パートに特化した編曲家が部分的な編曲を行うこともある(例:ストリングスアレンジ、ブラスアレンジ、ギターアレンジ、コーラスアレンジ等)。

編曲家は、レコード会社音楽出版社芸能事務所等の音楽プロデューサーディレクターの指示を受け編曲をすることが多いが、自らの判断で編曲する場合「サウンド・プロデューサー」と表記される場合もある。特に基準はなく、区別や権限は曖昧である。既存の楽曲の伴奏を変えるリミックス、リアレンジ(再編曲)では「リミキサー」と表記される場合もある。

著作権法では、編曲は二次的著作物とされており、編曲にも著作権が発生する。ただし、JASRACの使用料規程では印税の分配を受けられるのは「公表時編曲者」(楽曲が初めてCD化された際の編曲家)に限定されている。現在の日本では編曲は買い取りが中心で、実際に編曲家に印税が支払われる例は少ないとされる(サウンド・プロデューサー扱いの場合はプロデュース印税が支払われるが、これは著作権に基づく著作権印税ではなく、著作隣接権に基づく原盤印税からの分配である)。

日本における編曲家は、自身の作曲した作品だけでなく他者により制作された作品をさらに編集(アレンジ)する者が多数を占める。

関連書籍[編集]

  • DU BOOKS『ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち』(川瀬泰雄・吉田格・梶田昌史・田渕浩久 著)ISBN 978-4-907583-79-8

関連項目[編集]