「英連邦王国」の版間の差分

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{{混同|x1=イギリス君主を元首としない王国や共和国も加盟する国際機関である|イギリス連邦|x2=イギリスを指す|連合王国}}
{{混同|x1=イギリス君主を元首としない王国や共和国も加盟する国際機関である|イギリス連邦|x2=イギリスを指す|連合王国}}
{{暫定記事名|date=2020年5月|代案=コモンウェルス・レルム}}
[[File:Commonwealth realms map.svg|thumb|300px|青が現在のコモンウェルス・レルム。赤が過去のコモンウェルス・レルム。]]
{{イギリス国王を君主とする地域}}
{{独自研究|date=2020年5月}}
'''コモンウェルス・レルム'''({{lang-en-short|Commonwealth realm}})は、[[コモンウェルス首長]]を兼ねる[[イギリスの君主]]([[国王 (法人)|法人としての国王]]も参照)を自国の[[君主]]として戴く、個々の独立した[[主権国家体制|主権国家]]を指す。2022年の時点でいずれも[[イギリス連邦|コモンウェルス・オブ・ネイションズ (イギリス連邦)]]の加盟国の15か国がこれに当たる。
{{出典の明記|date=2019年9月}}
[[File:Commonwealth realms map.svg|thumb|300px|青が現在の英連邦王国。赤がかつて英連邦王国であった国。]]
'''英連邦王国'''(えいれんぽうおうこく、英:'''Commonwealth realm''')、あるいは、'''[[イギリス連邦|コモンウェルス]]・[[レルム]]'''(一般に定着した日本語訳が存在しないため)は、[[イギリス連邦|コモンウェルス]]の加盟国で、[[イギリスの君主]]([[国王 (法人)|法人としての国王]]も参照)に在位する者を自国の[[君主]]([[国王]])・[[元首]]として戴く、個々の[[独立]]した[[主権国家体制|主権国家]]を指す。


日本では、「'''英連邦王国'''(えいれんぽうおうこく)」などと称される。
「英連邦王国(Commonwealth realm)」という名称の、1つの[[王国]]が存在するわけでもなければ、1つの[[連邦]]が存在するわけでもなく、あるいは、1つの[[国家]]や1つの[[国家連合]]が存在するわけでもなく、あくまでも個々の独立した[[主権]]国家を各々「Commonwealth realm」と呼び、2022年の時点で15か国が存在する。


== 概要 ==
== 概要 ==
=== 各国の地位・関係 ===
=== 各国の地位・関係 ===
いずれも[[イギリス連邦|コモンウェルス]]加盟国であり、その内、[[イギリス]]以外は、かつてイギリスの[[植民地]]だったが、現在では、イギリスと対等な[[独立]]・[[主権国家体制|主権国家]]であり、イギリスを含む各国は、[[人的同君連合]](同一人が複数の国の[[君主]]を兼ねている・共通の[[中央政府]]を有さない・[[法人]]としての[[国家]]も別々)の関係にあたり、君主の地位(王位)も各々が独立している。
コモンウェルス・レルムうち[[イギリス]]以外は、かつてイギリスの[[植民地]]だったが、現在では、イギリスと対等な独立・[[主権国家体制|主権国家]]であり、イギリスを含む各国は、[[人的同君連合]](同一人が複数の国の君主を兼ねている・共通の[[中央政府]]を有さない・[[法人]]としての国家も別々)の関係にあたり、君主の地位(王位)も各々が独立している。


例えばチャールズ世は、[[バハマ]]で「[[バハマ国王]]」として、[[カナダ]]で「[[カナダ国王]]」として、[[ツバル]]で「[[ツバル国王]]」として、それぞれ[[象徴君主制|君臨する(君臨すれども統治せず)]]のであり、いずれも決して「[[イギリスの君主|イギリス国王]]」としてではなく、それぞれの独立国家の君主として君臨する。
例えば[[チャールズ3 (イギリス王)|チャールズ3世]]は、[[バハマ]]で「[[バハマ国王]]」として、[[カナダ]]で「[[カナダ国王]]」として、[[ツバル]]で「[[ツバル国王]]」として、それぞれ[[象徴君主制|君臨する(君臨すれども統治せず)]]のであり、いずれも決して「[[イギリスの君主|イギリス国王]]」としてではなく、それぞれの独立国家の君主として君臨する。


20世紀の半ば([[第二次世界大戦]]終結)までは「[[自治領]](ドミニオン、{{Lang-en-short|dominion}})」と呼ばれていたものの、1926年の帝国会議で[[主権]]的地位がイギリスから承認され、1931年の[[ウェストミンスター憲章]]の採択によって実質的に独立国となった。
20世紀の半ば([[第二次世界大戦]]終結)までは「[[自治領]](ドミニオン、{{Lang-en-short|dominion}})」と呼ばれていたものの、1926年の帝国会議で主権的地位がイギリスから承認され、1931年の[[ウェストミンスター憲章]]の採択によって実質的に独立国となった。


このウェストミンスター憲章の時点では、まだ[[国王 (法人)|法人としてのイギリス国王]]への忠誠が自治領の条件として残っていたが、それも1949年の[[ロンドン宣言]]によって不要となり、この頃から「自治領(ドミニオン、{{Lang-en-short|dominion}})」の呼称も使用されなくなったことで、新たに「Commonwealth realm(コモンウェルス・レルム)」と呼ばれるようになった。
このウェストミンスター憲章の時点では、まだ[[国王 (法人)|法人としてのイギリス国王]]への忠誠が自治領の条件として残っていたが、それも1949年の[[ロンドン宣言]]によって不要となり、この頃から「自治領」の呼称も使用されなくなったことで、「Commonwealth realm(コモンウェルス・レルム)」と呼ばれるようになった。


=== 王位の関係・継承 ===
=== 王位の関係・継承 ===
[[イギリスの君主|現在の君主]]は[[チャールズ (・オブ・ウェールズ)|チャールズ3世]]であり、その王位の[[法定推定相続人]][[ウィリアム (ンブリッジ公)|ウィリアム]]である。
[[イギリスの君主|現在の君主]]は[[チャールズ3世 (イギリス)|チャールズ3世]]であり、その王位の[[法定推定相続人]][[ウィリアム (プリス・オ・ウェールズ)|ウィリアム皇太子]]である。


前述の通り、あくまでも同一人物を共通の君主として戴く独立国家どうしの関係のため、各々の王位は相互に独立している関係にある。それゆえ、王位継承の資格や順序を改める際には、各国で足並みを揃えて国内法を改正する必要があり、その実例として、2011年に王位継承順位などを改める[[パース協定]]が各国間で締結され、全ての国において法的手続きが完了した2015年に新たな王位継承ルールが発効している。
前述の通り、あくまでも同一人物を共通の君主として戴く独立国家どうしの関係のため、各々の王位は相互に独立している関係にある。それゆえ、王位継承の資格や順序を改める際には、各国で足並みを揃えて国内法を改正する必要があり、その実例として、2011年に王位継承順位などを改める[[パース協定]]が各国間で締結され、全ての国において法的手続きが完了した2015年に新たな王位継承ルールが発効している。
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=== 総督 ===
=== 総督 ===
君主は基本的に[[イギリス]]に在住しているため、イギリス以外ではその任命する[[総督]]が代理を務める(各国内の序列の上で国王に次ぐ次席にあたる)。
君主は基本的にイギリスに在住しているため、イギリス以外ではその任命する[[総督]]が代理を務める(各国内の序列の上で国王に次ぐ次席にあたる)。


いずれの国も、[[政体]]の基礎としてイギリス式の[[ウェストミンスター・システム]]を採用し、形式上の[[君主主権]]の下、「[[議会における王]]」の概念に則り、[[国王 (法人)|法人としての国王]]に帰属する[[国王大権 (イギリス)|国王大権]]が[[議会]]を通じて行使され、[[首相]]が実質的な政治リーダーを務める[[議院内閣制]]によって[[統治機構|統治]]されており、君主や総督は、首相・[[内閣]]や[[枢密院]]からの[[助言]][[輔弼]])の通りに名目上の[[大権]]を行使するものとされ、その職務の多くが儀礼的・形式的な行為であり、「[[象徴君主制|君臨すれども統治せず]]」の原則が貫かれている。
いずれの国も、[[政体]]の基礎としてイギリス式の[[ウェストミンスター・システム]]を採用し、形式上の[[君主主権]]の下、「[[議会における王]]」の概念に則り、[[国王 (法人)|法人としての国王]]に帰属する[[国王大権 (イギリス)|国王大権]]が[[議会]]を通じて行使され、[[首相]]が実質的な政治リーダーを務める[[議院内閣制]]によって統治されており、君主や総督は、首相・[[内閣]]や[[枢密院]]からの助言(輔弼)の通りに名目上の[[大権]]を行使するものとされ、その職務の多くが儀礼的・形式的な行為であり、「[[象徴君主制|君臨すれども統治せず]]」の原則が貫かれている。


総督の人選も各国内で行われ、各国の[[政府]](首相や内閣)から推薦された人物が君主によって総督に任命される。
総督の人選も各国内で行われ、各国の政府(首相や内閣)から推薦された人物が君主によって総督に任命される。

=== 市民権 ===
{{仮リンク|コモンウェルス市民権|en|Commonwealth_citizen|preserve=1}}は、かつては[[イギリス]]に在留するための幅広い権利を持っていたが、1962年の移民法から次第に権利が制限されていった。1971年には祖先がイギリスで生まれた者に対する移民制限がいったん緩和されたものの、イギリスへの[[入国]]や在留には許可が必要となった{{sfn|上野麿里奈|2021}}。1980年代にほとんどの植民地が独立国家となったため、コモンウェルス市民権のイギリス国内での特権は、国籍法改正によってほぼ抹消された<ref>[https://www.legislation.gov.uk/ukpga/1981/61/enacted 1981年イギリス国籍法]</ref>。

ただし、市民権には[[イギリス軍]]入隊資格があり、イギリス居住時には警察への外国人登録を免除される資格があり、イギリスの公務員職に就職できる場合もある。


== 現在の君主 ==
== 現在の君主 ==
{{現在のイギリスの君主}}
{{現在のイギリスの君主}}
== 現在の英連邦王国一覧 ==
== 一覧 ==
現在、以下の15のコモンウェルス・レルムが3つの大陸に点在しており ([[北アメリカ]]:9、[[オセアニア]]:5、[[ヨーロッパ]]:1)、総面積([[南極における領有権主張の一覧|南極領有権]]を除く)は1,870万㎢(720万平方マイル){{NoteTag|数値はコモンウェルス事務局における加盟国のデータから合計され、100,000未満を四捨五入している。}}、人口は1億5000万以上である<ref>{{cite web |url = https://population.un.org/wpp/Download/Standard/Population/ |title = World Population Prospects – Population Division – United Nations |website = population.un.org |accessdate=2023-09-30}}</ref>。
{| class="wikitable"

|- bgcolor=cccccc
{| class="wikitable sortable" style="width:100%"
!国旗!!国名!!英連邦王国になった年!!チャールズ3世の称号!!王旗
|-
|-
!国旗!!国名!!人口 (2021年)<ref>{{cite web|url=https://population.un.org/wpp/|title=World Population Prospects 2022|publisher=[[国際連合経済社会局]]人口部|accessdate=2023-09-30}}</ref>!!加盟年!!王旗!!総督!!首相
| [[image:Flag of Antigua and Barbuda.svg|50px]] || [[アンティグア・バーブーダ]] || 英国から独立した[[1981年]] ||Charles the Third, by the Grace of God, King of Antigua and Barbuda and of His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、アンティグア・バーブーダならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[アンティグア・バーブーダ国王]] || 無
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| [[image:Flag of Antigua and Barbuda.svg|50px]]
| [[image:Flag of Australia.svg|50px]] || [[オーストラリア]] || [[ウェストミンスター憲章]]採択の[[1942年]] || Charles the Third, by the Grace of God, King of Australia and His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、オーストラリアならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[オーストラリア国王]] || [[Image:Royal Standard of Australia.svg|50px]]
| [[アンティグア・バーブーダ]] ([[アンティグア・バーブーダ国王|国王]])
| style="text-align:right;"|93,219
| 英国から独立した[[1981年]]
| 無
| {{ill2|ロドニー・ウィリアムズ (総督)|en|Rodney Williams (governor-general)|label=ロドニー・ウィリアムズ}} [[アンティグア・バーブーダ総督|総督]]
| [[ガストン・ブラウン]][[アンティグア・バーブーダの首相|首相]]
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| [[image:Flag of Australia.svg|50px]]
| [[image:Flag of the Bahamas.svg|50px]] || [[バハマ]] || 英国から独立した[[1973年]] || Charles the Third, by the Grace of God, King of the Commonwealth of the Bahamas and of His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、バハマならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[バハマ国王]] || 無
| [[オーストラリア]] ([[オーストラリア国王|国王]])

| style="text-align:right;"|25,921,089
| [[ウェストミンスター憲章]]採択の[[1942年]]
|
| [[デイヴィッド・ハーレイ]][[オーストラリアの総督|総督]]
| [[アンソニー・アルバニージー]][[オーストラリアの首相|首相]]
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| [[image:Flag of the Bahamas.svg|50px]]
| [[image:Flag of Belize.svg|50px]] || [[ベリーズ]] || 英国から独立した1981年 || Charles the Third, by the Grace of God, King of Belize and of His Other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、ベリーズならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[ベリーズ国王]] || 無
| [[バハマ]] ([[バハマ国王|国王]])
| style="text-align:right;"|407,906
| 英国から独立した[[1973年]]
| 無
| {{ill2|シンシア・A・プラット|en|Cynthia A. Pratt}}[[バハマ総督|総督]]
| {{ill2|フィリップ・デイヴィス (バハマの政治家)|label=フィリップ・デイヴィス|en|Philip Davis (Bahamian politician)}}[[バハマの首相|首相]]
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| [[image:Flag of Belize.svg|50px]]
| [[image:Flag of Canada.svg|50px]] || [[カナダ]] || ウェストミンスター憲章採択の[[1931年]] || Charles the Third, by the Grace of God, of the United Kingdom, Canada and His other Realms and Territories King, Head of the Commonwealth, Defender of the Faith<br />{{lang-fr|Charles Trois, par la grâce de Dieu Roi du Royaume-Uni, du Canada et de ses autres royaumes et territoires, Chef du Commonwealth, Défenseur de la Foi}}<br />神の恩寵による、連合王国、カナダならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、[[信仰の擁護者]]、チャールズ3世<br />[[カナダ国王]] || [[Image:Royal standard of Canada (1962–2022).svg|50px]]
| [[ベリーズ]] ([[ベリーズ国王|国王]])
| style="text-align:right;"|400,031
| 英国から独立した1981年
| 無
| {{ill2|フロイラ・ツァラム|en|Froyla Tzalam}}[[ベリーズ総督|総督]]
| [[ジョニー・ブリセーニョ]][[ベリーズの首相の一覧|首相]]
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| [[image:Flag of Canada.svg|50px]]
| [[image:Flag of Grenada.svg|50px]] || [[グレナダ]] || 英国から独立した[[1974年]] || Charles the Third, by the Grace of God, King of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland and of Grenada and His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国、グレナダならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[グレナダ国王]] || 無
| [[カナダ]] ([[カナダ国王|国王]])
| style="text-align:right;"|38,155,012
| ウェストミンスター憲章採択の[[1931年]]
| [[Image:Royal Standard of Canada.svg|50px]]
| [[メアリー・サイモン]][[カナダの総督|総督]]
| [[ジャスティン・トルドー]][[カナダの首相|首相]]
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| [[image:Flag of Grenada.svg|50px]]
| [[image:Flag of Jamaica.svg|50px]] || [[ジャマイカ]] || 英国から独立した[[1962年]] || Charles the Third, by the Grace of God, King of Jamaica and of His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、ジャマイカならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[ジャマイカ国王]] || [[Image:Royal Standard of Jamaica.svg|50px]]
| [[グレナダ]] ([[グレナダ国王|国王]])
| style="text-align:right;"|124,610
| 英国から独立した[[1974年]]
| 無
| [[セシル・ラ・グレネード]][[グレナダ総督|総督]]
| [[ディコン・ミッチェル]][[グレナダの首相|首相]]
|-
|-
| [[image:Flag of Jamaica.svg|50px]]
| [[image:Flag of New Zealand.svg|51px]]|| [[ニュージーランド]]([[ニュージーランド王国]]) || ウェストミンスター憲章採択の[[1947年]] || Charles the Third, by the Grace of God, King of New Zealand and His Other Realms and Territories, Head of the Commonwealth, Defender of the Faith<br />{{仮リンク|神の恩寵による|en|By the Grace of God}}、ニュージーランドならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、信仰の擁護者チャールズ3世<br />[[ニュージーランド国王]] || [[Image:Royal Standard of New Zealand.svg|50px]]
| [[ジャマイカ]] ([[ジャマイカ国王|国王]])
| style="text-align:right;"|2,827,695
| 英国から独立した[[1962年]]
|
| {{ill2|パトリック・アレン|en|Patrick Allen (politician)}}[[ジャマイカの総督|総督]]
| [[アンドリュー・ホルネス]][[ジャマイカの首相|首相]]
|-
|-
| [[image:Flag of New Zealand.svg|51px]]
| [[image:Flag of Papua New Guinea.svg|50px]] || [[パプアニューギニア]] || オーストラリアから独立した[[1975年]] || Charles the Third, King of Papua New Guinea and of His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />パプアニューギニアならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[パプアニューギニア国王]] || 無
| [[ニュージーランド]]{{NoteTag|[[クック諸島]]と[[ニウエ]]は、ニュージーランドと[[自由連合 (国家間関係)|自由連合]]を有する自治州として、ニュージーランド国王の主権下にある。ニュージーランドとその関連州は、[[トケラウ]]および[[ロス海属領]]とともに[[ニュージーランド王国]]を構成する。}} ([[ニュージーランド国王|国王]])
| style="text-align:right;"|5,129,727
| ウェストミンスター憲章採択の[[1947年]]
|
| [[シンディ・キロ]][[ニュージーランドの総督|総督]]
| [[クリストファー・ラクソン]][[ニュージーランドの首相|首相]]
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| [[image:Flag of Papua New Guinea.svg|50px]]
| [[Image:Flag of Saint Kitts and Nevis.svg|50px]] || [[セントクリストファー・ネイビス]] || 英国から独立した[[1983年]] || Charles the Third, by the Grace of God, King of Saint Christopher and Nevis and of His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、セントクリストファー・ネイビスならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[セントクリストファー・ネイビス国王]] || 無
| [[パプアニューギニア]] ([[パプアニューギニア国王|国王]])
| style="text-align:right;"|9,949,437
| オーストラリアから独立した[[1975年]]
| 無
| {{ill2|ボブ・ダダイ|en|Bob Dadae}}[[パプアニューギニアの総督|総督]]
| [[ジェームズ・マラペ]][[パプアニューギニアの首相|首相]]
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| [[Image:Flag of Saint Kitts and Nevis.svg|50px]]
| [[image:Flag of Saint Lucia.svg|50px]] || [[セントルシア]] || 英国から独立した[[1979年]] || Charles the Third, by the Grace of God, King of Saint Lucia and of His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、セントルシアならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[セントルシア国王]] || 無
| [[セントクリストファー・ネイビス]] ([[セントクリストファー・ネイビス国王|国王]])
| style="text-align:right;"|47,606
| 英国から独立した[[1983年]]
| 無
| {{ill2|マルセラ・リバード|en|Marcella Liburd}}[[セントクリストファー・ネイビス総督|総督]]
| {{ill2|テランス・ドリュー|en|Terrance Drew}}[[セントクリストファー・ネイビスの首相|首相]]
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|-
| [[image:Flag of Saint Lucia.svg|50px]]
| [[image:Flag of Saint Vincent and the Grenadines.svg|50px]] || [[セントビンセント・グレナディーン]] || 英国から独立した1979年 || Charles the Third, by the Grace of God, King of Saint Vincent and the Grenadines and of His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、セントビンセント・グレナディーンならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[セントビンセント・グレナディーン国王]] || 無
| [[セントルシア]] ([[セントルシア国王|国王]])
| style="text-align:right;"|179,651
| 英国から独立した[[1979年]]
| 無
| {{ill2|エロール・チャールズ|en|Errol Charles}}[[セントルシア総督|総督]]
| {{ill2|フィリップ・ピエール|en|Philip J. Pierre}}[[セントルシアの首相|首相]]
|-
|-
| [[image:Flag of Saint Vincent and the Grenadines.svg|50px]]
| [[image:Flag of the Solomon Islands.svg|50px]] || [[ソロモン諸島]] || 英国から独立した[[1978年]] || Charles the Third, by the Grace of God, King of the Solomon Islands and of His other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、ソロモン諸島ならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[ソロモン諸島国王]] || 無
| [[セントビンセント・グレナディーン]] ([[セントビンセント・グレナディーン国王|国王]])
| style="text-align:right;"|104,332
| 英国から独立した1979年
| 無
| {{ill2|スーザン・ドゥーガン|en|Susan Dougan}}[[セントビンセント・グレナディーン総督|総督]]
| [[ラルフ・ゴンサルヴェス]][[セントビンセント・グレナディーンの首相|首相]]
|-
|-
| [[image:Flag of the Solomon Islands.svg|50px]]
| [[image:Flag of Tuvalu.svg|50px]] || [[ツバル]] || 英国から独立した1978年 || Charles the Third, by the Grace of God, King of Tuvalu and of His Other Realms and Territories, Head of the Commonwealth<br />神の恩寵による、ツバルならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルスの長、チャールズ3世<br />[[ツバル国王]] || 無
| [[ソロモン諸島]] ([[ソロモン諸島国王|国王]])
| style="text-align:right;"|707,851
| 英国から独立した[[1978年]]
| 無
| {{ill2|デヴィッド・ヴナギ|en|David Vunagi}}[[ソロモン諸島の総督|総督]]
| {{ill2|ジャーマイア・マネレ|en|Jeremiah Manele}}[[ソロモン諸島の首相|首相]]
|-
|-
| [[image:Flag of Tuvalu.svg|50px]]
| [[image:Flag of the United Kingdom.svg|50px]] || [[イギリス|グレートブリテン及び北アイルランド連合王国]] || - || Charles the Third, by the Grace of God, of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland and of His Other Realms and Territories King, Head of the Commonwealth, Defender of the Faith<br />{{lang-la|Charles Tertius Dei Gratia Britanniarum Regnorumque Suorum Ceterorum Rex Consortionis Populorum Princeps Fidei Defensor}}<br />{{仮リンク|神の恩寵による|en|By the Grace of God}}、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国ならびに他の[[レルム]]や[[イギリスの海外領土|領域]]の国王、{{仮リンク|コモンウェルスの長|en|Head of the Commonwealth}}、[[信仰の擁護者]]、チャールズ3世<br />[[イギリスの君主|イギリス国王]] || [[Image:Royal Standard of the United Kingdom.svg|50px|border]]<br />[[Image:Royal Standard of the United Kingdom (in Scotland).svg|50px]]
| [[ツバル]] ([[ツバル国王|国王]])
| style="text-align:right;"|11,204
| 英国から独立した1978年
| 無
| {{ill2|トフィガ・ヴァエヴァル・ファラニ|en|Tofiga Vaevalu Falani}}[[ツバル総督|総督]]
| {{ill2|フェレティ・テオ|en|Feleti Teo}}[[ツバルの首相|首相]]
|-
| [[image:Flag of the United Kingdom.svg|50px]]
| [[イギリス|グレートブリテン及び北アイルランド連合王国]]{{NoteTag|[[ガーンジー]]、[[マン島]]、[[ジャージー]]は[[イギリスの王室属領|王室属領]]であり、[[国王 (法人)|英国国王]]の主権の下にある英国王室の自治領である。英国と合わせてブリテン諸島([[:en:British Islands|British Islands]])を構成する。}} ([[イギリスの君主|国王]])
| style="text-align:right;"|67,281,039
| [[合同法 (1800年)|合同法]]制定後の[[1801年]]
| [[Image:Royal Standard of the United Kingdom.svg|50px|border]]<br />[[Image:Royal Standard of the United Kingdom (in Scotland).svg|50px]]
| {{N/A|N/A}}<ref>{{cite web| url=https://www.commonwealthofnations.org/?sectors=government/governor_general| title=Governor-General| author=Commonwealth Network| year=2020| publisher=Nexus Partnerships Limited| accessdate=20 July 2021}}</ref>
| [[リシ・スナク]][[イギリスの首相|首相]]
|}
|}


=== 独自の王位を持たないがコモンウェルス・レルムに含まれる国・地域 ===
=== 独自の王位を持たないがコモンウェルス・レルムに含まれる国・地域 ===
[[ニュージーランド国王|ニュージーランド国王(女王)]]を君主として戴くコモンウェルス・レルムたる、[[ニュージーランド王国]](レルム・オブ・ニュージーランド、{{Lang-en-short|Realm of New Zealand}})には、[[ニュージーランド]]のみならず、以下の地域が含まれる。
[[ニュージーランド国王]]を君主として戴くコモンウェルス・レルムたる、[[ニュージーランド王国]](レルム・オブ・ニュージーランド、{{Lang-en-short|Realm of New Zealand}})には、[[ニュージーランド]]のみならず、以下の地域が含まれる。
# [[ニュージーランド]]と[[自由連合 (国家間関係)|自由連合]]を結び、それぞれ数十か国に[[国家の承認|国家として承認]]されている、事実上の独立国。
# [[ニュージーランド]]と[[自由連合 (国家間関係)|自由連合]]を結び、それぞれ数十か国に[[国家の承認|国家として承認]]されている、事実上の独立国。
## {{COK}}
## [[クック諸島]]
## {{NIU}}
## [[ニウエ]]
# その他の地域
# その他の地域
## [[トケラウ]]([[国際連合非自治地域リスト]]に掲載)
## {{flag|Tokelau}}([[国際連合非自治地域リスト]]に掲載)
## [[ロス海属領]]([[南極における領有権主張の一覧|南極においてニュージーランドが領有権を主張している地域]])
## [[ロス海属領]]([[南極における領有権主張の一覧|南極においてニュージーランドが領有権を主張している地域]])


== 過去の英連邦王国一覧 ==
== 過去のコモンウェルス・レルム ==
[[File:Royal Standard of Sierra Leone.svg|thumb|100px|シエラレオネ女王旗]]
[[File:Royal Standard of Sierra Leone.svg|thumb|100px|シエラレオネ女王旗]]
[[File:Royal Standard of Trinidad and Tobago (1962–1976).svg|thumb|100px|トリニダード・トバゴ女王旗]]
[[File:Royal Standard of Trinidad and Tobago (1962–1976).svg|thumb|100px|トリニダード・トバゴ女王旗]]
86行目: 180行目:
[[File:Royal Standard of Mauritius.svg|thumb|100px|モーリシャス女王旗]]
[[File:Royal Standard of Mauritius.svg|thumb|100px|モーリシャス女王旗]]
[[File:Royal Standard of Barbados.svg|thumb|100px|バルバドス女王旗]]
[[File:Royal Standard of Barbados.svg|thumb|100px|バルバドス女王旗]]
かつての英連邦王国の一覧。1992年のモーリシャス以降は長らく離脱国はなかったが、2021年にバルバドスが離脱した。

なお、この中で1952年以降に独立した国家には女王のエリザベス2世のみが在位したことから、「国王(男)」は存在しない。
なお、この中で1952年以降に独立した国家には女王のエリザベス2世のみが在位したことから、「国王(男)」は存在しない。
* {{IFS}}(1931年-1937年、成立は1922年) 現[[アイルランド|アイルランド共和国]]

* [[ルランド自由国]](1931年-1937年、成立は1922年) 現[[ルランド|ルランド共和国]]
* {{flagicon|IND}} [[インド連邦 (ドミニオン)|インド連邦]](1947年-1950年) 現[[インド|インド共和国]]
* [[インド連邦 (ドミニオン)|ド連邦]](1947年-1950年) 現[[|共和国]]
* {{flagicon|UGA}} [[:en:Uganda (Commonwealth realm)|ウガ]](1962年-1963年) 現[[ウガ|ウガ共和国]]
* [[:en:Uganda (Commonwealth realm)|ンダ]](1962年-1963年) 現[[ンダ|ンダ共和国]]
* {{flagicon|GHA}} [[:en:Ghana (Commonwealth realm)|ガーナ]](1957年-1960年) 現[[ガーナ|ガーナ共和国]]
* [[:en:Ghana (Commonwealth realm)|ガナ]](1957年-1960年) 現[[ガナ|ガナ共和国]]
* {{flagicon|GUY}} [[:en:Guyana (Commonwealth realm)|ガイアナ]](1966年-1970年) 現[[ガイアナ|ガイアナ共和国]]
* [[:en:Guyana (Commonwealth realm)|ガ]](1966年-1970年) 現[[ガ|ガ共和国]]
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* {{BRB}}([[バルバドス国王]]、1966年-2021年<ref>{{Cite news|url=https://barbadostoday.bb/2021/08/21/governor-general-dame-sandra-mason-to-become-first-president-of-barbados/|title=Governor General Dame Sandra Mason to become first president of Barbados|agency=Barbados Today|date=2021-08-21|accessdate=2021-08-22}}</ref><ref>{{Cite news|url= https://www.yomiuri.co.jp/world/20211012-OYT1T50309/ |title= カリブの島国バルバドス、エリザベス英女王を君主とする「立憲君主制」を廃止 |newspaper= 読売新聞オンライン |publisher= 読売新聞 |date= 2021-10-13 |accessdate= 2021-10-13 }}</ref>)
* [[パキスタン (ドミニオン)|パキスタン]](1947年-1956年) 現[[パキスタン|パキスタン・イスラム共和国]]、[[バングラデシュ|バングラデシュ人民共和国]]
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* [[バルバドス]]([[バルバドス国王]]、1966年-2021年<ref>{{Cite news|url=https://barbadostoday.bb/2021/08/21/governor-general-dame-sandra-mason-to-become-first-president-of-barbados/|title=Governor General Dame Sandra Mason to become first president of Barbados|agency=Barbados Today|date=2021-08-21|accessdate=2021-08-22}}</ref><ref>{{Cite news|url= https://www.yomiuri.co.jp/world/20211012-OYT1T50309/ |title= カリブの島国バルバドス、エリザベス英女王を君主とする「立憲君主制」を廃止 |newspaper= 読売新聞オンライン |publisher= 読売新聞 |date= 2021-10-13 |accessdate= 2021-10-13 }}</ref>)
* [[:en:Dominion of Fiji|フィジー]](1970年-1987年) 現[[フィジー|フィジー共和国]]
* {{flagicon|MWI}} [[:en:Malawi (Commonwealth realm)|マラウイ]](1964年-1966年) 現[[マラウイ|マラウイ共和国]]
* [[:en:Malawi (Commonwealth realm)|マラウイ]](1964年-1966年) 現[[マラウイ|マラウイ共和国]]
* {{flagicon|MLT}} [[:en:State of Malta|マルタ国]](1964年-1974年) 現[[マルタ|マルタ共和国]]
* [[:en:State of Malta|マルタ国]](1964年-1974年) 現[[マルタ|マルタ共和国]]
* {{ZAF1928}}(1931年-1961年、成立は1910年) 現[[南アフリカ共和国]]
* [[南アフ連邦]](1931年-1961年、成立は1910年) 現[[南アフ共和国]]
* {{flagicon|MUS}} [[モーシャス (英連邦王国)|モーリシャス]](1968年-1992年) 現[[モーリシャス|モーシャス共和国]]
* [[モーリシャス (英連邦王国)|モーリシャス]](1968年-1992年) 現[[モーリシャス|モーリシャス共和国]]


=== ドミニオンであったがコモンウェルス・レルムにならなかった地域 ===
=== ドミニオンであったがコモンウェルス・レルムにならなかった地域 ===
* [[ニューファンドランド (ドミニオン)|ニューファンドランド自治領]] - [[自治領]](ドミニオン)の1つであったが、[[ウェストミンスター憲章]]を批准しなかったため、コモンウェルス・レルムと見做されず、その後、現在ではコモンウェルス・レルムである[[カナダ]]を構成する[[ニューファンドランド・ラブラドール州]]となっている。
* {{flagcountry2|Newfoundland}} - [[自治領]](ドミニオン)の1つであったが、[[ウェストミンスター憲章]]を批准しなかったため、コモンウェルス・レルムと見做されず、その後、現在ではコモンウェルス・レルムである[[カナダ]]を構成する[[ニューファンドランド・ラブラドール州]]となっている。
* [[ローデシア・ニヤサランド連邦]] - 現在の[[ザンビア]]、[[ジンバブエ]]、[[マラウイ]]の3か国。
* [[ファイル:Flag_of_Rhodesia_and_Nyasaland_(1953–1963).svg|border|25px]] [[ローデシア・ニヤサランド連邦]] - 現在の[[ザンビア]]、[[ジンバブエ]]、[[マラウイ]]の3か国。


=== 国王が即位を拒否した地域 ===
=== 即位を拒否した地域 ===
* [[ローデシア]] - 1965年に一方的に独立を宣言し、またローデシア政府は英連邦王国の一員としてエリザベス2世をローデシア女王として承認したことを発表した。しかし当人はこれを拒否し、結局1970年にローデシアが共和制への移行を宣言したことで空位のまま消滅した。
* {{RHO1964}} - 1965年に一方的に独立を宣言し、またローデシア政府はコモンウェルス・レルムの一員としてエリザベス2世をローデシア女王として承認したことを発表した。しかし当人はこれを拒否し、結局1970年にローデシアが共和制への移行を宣言したことで空位のまま消滅した。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
{{reflist|2}}

== 参考文献 ==
* {{Citation|和書| author=上野麿里奈| year=2021| url =| title=主要国議会の選挙制度及び投票率の推移| volume=| volume-title=調査と情報 No. 1161| publisher=国立国会図書館 | page=| quote=| ref =harv}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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* [[イギリス君主一覧]]
* [[イギリス君主一覧]]
* [[イギリス帝国]]
* [[イギリス帝国]]
* [[イギリスの王室属領]]
* [[イギリスの王室属領]] - [[イギリスの君主]]と同一人が別称号で君臨するが、コモンウェルス・レルムに含まれず、[[イギリス連邦|コモンウェルス]]にも加盟していない、以下の地域。
** [[マン島]]
** [[ジャージー]]
** [[ガーンジー]]


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2024年5月8日 (水) 14:26時点における最新版

青が現在のコモンウェルス・レルム。赤が過去のコモンウェルス・レルム。
イギリス国王関連の地域
 英連邦王国 (イギリスの君主)

コモンウェルス・レルム: Commonwealth realm)は、コモンウェルス首長を兼ねるイギリスの君主法人としての国王も参照)を自国の君主として戴く、個々の独立した主権国家を指す。2022年の時点でいずれもコモンウェルス・オブ・ネイションズ (イギリス連邦)の加盟国の15か国がこれに当たる。

日本では、「英連邦王国(えいれんぽうおうこく)」などと称される。

概要[編集]

各国の地位・関係[編集]

コモンウェルス・レルムのうちイギリス以外は、かつてイギリスの植民地だったが、現在では、イギリスと対等な独立・主権国家であり、イギリスを含む各国は、人的同君連合(同一人が複数の国の君主を兼ねている・共通の中央政府を有さない・法人としての国家も別々)の関係にあたり、君主の地位(王位)も各々が独立している。

例えばチャールズ3世は、バハマで「バハマ国王」として、カナダで「カナダ国王」として、ツバルで「ツバル国王」として、それぞれ君臨する(君臨すれども統治せず)のであり、いずれも決して「イギリス国王」としてではなく、それぞれの独立国家の君主として君臨する。

20世紀の半ば(第二次世界大戦終結)までは「自治領(ドミニオン、: dominion)」と呼ばれていたものの、1926年の帝国会議で主権的地位がイギリスから承認され、1931年のウェストミンスター憲章の採択によって実質的に独立国となった。

このウェストミンスター憲章の時点では、まだ法人としてのイギリス国王への忠誠が自治領の条件として残っていたが、それも1949年のロンドン宣言によって不要となり、この頃から「自治領」の呼称も使用されなくなったことで、「Commonwealth realm(コモンウェルス・レルム)」と呼ばれるようになった。

王位の関係・継承[編集]

現在の君主チャールズ3世であり、その王位の法定推定相続人ウィリアム皇太子である。

前述の通り、あくまでも同一人物を共通の君主として戴く独立国家どうしの関係のため、各々の王位は相互に独立している関係にある。それゆえ、王位継承の資格や順序を改める際には、各国で足並みを揃えて国内法を改正する必要があり、その実例として、2011年に王位継承順位などを改めるパース協定が各国間で締結され、全ての国において法的手続きが完了した2015年に新たな王位継承ルールが発効している。

現在のチャールズ3世のように君主が男性の場合、いずれの王位も名称が「King(キング)」となり、それが女性であれば「Queen(クイーン)」となる、という点も同様・共通である。

総督[編集]

君主は基本的にイギリスに在住しているため、イギリス以外ではその任命する総督が代理を務める(各国内の序列の上で国王に次ぐ次席にあたる)。

いずれの国も、政体の基礎としてイギリス式のウェストミンスター・システムを採用し、形式上の君主主権の下、「議会における国王」の概念に則り、法人としての国王に帰属する国王大権議会を通じて行使され、首相が実質的な政治リーダーを務める議院内閣制によって統治されており、君主や総督は、首相・内閣枢密院からの助言(輔弼)の通りに名目上の大権を行使するものとされ、その職務の多くが儀礼的・形式的な行為であり、「君臨すれども統治せず」の原則が貫かれている。

総督の人選も各国内で行われ、各国の政府(首相や内閣)から推薦された人物が君主によって総督に任命される。

市民権[編集]

コモンウェルス市民権英語版は、かつてはイギリスに在留するための幅広い権利を持っていたが、1962年の移民法から次第に権利が制限されていった。1971年には祖先がイギリスで生まれた者に対する移民制限がいったん緩和されたものの、イギリスへの入国や在留には許可が必要となった[1]。1980年代にほとんどの植民地が独立国家となったため、コモンウェルス市民権のイギリス国内での特権は、国籍法改正によってほぼ抹消された[2]

ただし、市民権にはイギリス軍入隊資格があり、イギリス居住時には警察への外国人登録を免除される資格があり、イギリスの公務員職に就職できる場合もある。

現在の君主[編集]

歴代 肖像 誕生 即位 在位期間 続柄
ウィンザー朝
第5代
チャールズ3世 Charles III 1948年11月14日(75歳) 2022年9月8日 1年271日 女王エリザベス2世第1王子

一覧[編集]

現在、以下の15のコモンウェルス・レルムが3つの大陸に点在しており (北アメリカ:9、オセアニア:5、ヨーロッパ:1)、総面積(南極領有権を除く)は1,870万㎢(720万平方マイル)[注 1]、人口は1億5000万以上である[3]

国旗 国名 人口 (2021年)[4] 加盟年 王旗 総督 首相
アンティグア・バーブーダ (国王) 93,219 英国から独立した1981年 ロドニー・ウィリアムズ英語版 総督 ガストン・ブラウン首相
オーストラリア (国王) 25,921,089 ウェストミンスター憲章採択の1942年 デイヴィッド・ハーレイ総督 アンソニー・アルバニージー首相
バハマ (国王) 407,906 英国から独立した1973年 シンシア・A・プラット英語版総督 フィリップ・デイヴィス英語版首相
ベリーズ (国王) 400,031 英国から独立した1981年 フロイラ・ツァラム英語版総督 ジョニー・ブリセーニョ首相
カナダ (国王) 38,155,012 ウェストミンスター憲章採択の1931年 メアリー・サイモン総督 ジャスティン・トルドー首相
グレナダ (国王) 124,610 英国から独立した1974年 セシル・ラ・グレネード総督 ディコン・ミッチェル首相
ジャマイカ (国王) 2,827,695 英国から独立した1962年 パトリック・アレン英語版総督 アンドリュー・ホルネス首相
ニュージーランド[注 2] (国王) 5,129,727 ウェストミンスター憲章採択の1947年 シンディ・キロ総督 クリストファー・ラクソン首相
パプアニューギニア (国王) 9,949,437 オーストラリアから独立した1975年 ボブ・ダダイ英語版総督 ジェームズ・マラペ首相
セントクリストファー・ネイビス (国王) 47,606 英国から独立した1983年 マルセラ・リバード英語版総督 テランス・ドリュー英語版首相
セントルシア (国王) 179,651 英国から独立した1979年 エロール・チャールズ英語版総督 フィリップ・ピエール英語版首相
セントビンセント・グレナディーン (国王) 104,332 英国から独立した1979年 スーザン・ドゥーガン英語版総督 ラルフ・ゴンサルヴェス首相
ソロモン諸島 (国王) 707,851 英国から独立した1978年 デヴィッド・ヴナギ英語版総督 ジャーマイア・マネレ英語版首相
ツバル (国王) 11,204 英国から独立した1978年 トフィガ・ヴァエヴァル・ファラニ総督 フェレティ・テオ英語版首相
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国[注 3] (国王) 67,281,039 合同法制定後の1801年
N/A[5] リシ・スナク首相

独自の王位を持たないがコモンウェルス・レルムに含まれる国・地域[編集]

ニュージーランド国王を君主として戴くコモンウェルス・レルムたる、ニュージーランド王国(レルム・オブ・ニュージーランド、: Realm of New Zealand)には、ニュージーランドのみならず、以下の地域が含まれる。

  1. ニュージーランド自由連合を結び、それぞれ数十か国に国家として承認されている、事実上の独立国。
    1. クック諸島の旗 クック諸島
    2. ニウエの旗 ニウエ
  2. その他の地域
    1. トケラウの旗 トケラウ国際連合非自治地域リストに掲載)
    2. ロス海属領南極においてニュージーランドが領有権を主張している地域

過去のコモンウェルス・レルム[編集]

シエラレオネ女王旗
トリニダード・トバゴ女王旗
マルタ女王旗
モーリシャス女王旗
バルバドス女王旗

なお、この中で1952年以降に独立した国家には女王のエリザベス2世のみが在位したことから、「国王(男)」は存在しない。

ドミニオンであったがコモンウェルス・レルムにならなかった地域[編集]

即位を拒否した地域[編集]

  • ローデシアの旗 ローデシア - 1965年に一方的に独立を宣言し、またローデシア政府はコモンウェルス・レルムの一員としてエリザベス2世をローデシア女王として承認したことを発表した。しかし当人はこれを拒否し、結局1970年にローデシアが共和制への移行を宣言したことで空位のまま消滅した。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 数値はコモンウェルス事務局における加盟国のデータから合計され、100,000未満を四捨五入している。
  2. ^ クック諸島ニウエは、ニュージーランドと自由連合を有する自治州として、ニュージーランド国王の主権下にある。ニュージーランドとその関連州は、トケラウおよびロス海属領とともにニュージーランド王国を構成する。
  3. ^ ガーンジーマン島ジャージー王室属領であり、英国国王の主権の下にある英国王室の自治領である。英国と合わせてブリテン諸島(British Islands)を構成する。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 上野麿里奈『主要国議会の選挙制度及び投票率の推移』《調査と情報 No. 1161》国立国会図書館、2021年。 

関連項目[編集]