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『'''キングコング2 甦る伝説'''』(キングコングツー よみがえるでんせつ)は、[[1987年]]に[[コナミ]](現・[[コナミデジタルエンタテインメント]]より発売された[[MSX2]]用[[アクションロールプレイングゲーム|アクションRPG]]である。
『'''キングコング2 甦る伝説'''』(キングコングツー よみがえるでんせつ)は、[[1987年]]に[[コナミデジタルエンタテインメント|コナミ]]より発売された[[MSX2]]用[[アクションロールプレイングゲーム|アクションRPG]]である。


同じくコナミから発売された[[ファミリーコンピュータ]]用ソフト『[[キングコング2 怒りのメガトンパンチ]]』とともに、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で制作された[[映画]]『[[キングコング2]]』ゲーム化した作品である。
== 概要 ==
同じくコナミから発売された[[ファミリーコンピュータ]]用ソフト『[[キングコング2 怒りのメガトンパンチ]]』(以下『怒り』)とともに、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で制作された[[映画]]『[[キングコング2]]』ゲーム化作品である。そのためゲームソフトとしての『キングコング(1)』は発売されていない。また『怒り』が純粋な[[アクションゲーム]]であるのに対し、本作は特定の敵を倒したり特定の場所を通過したりするのに特定の[[アイテム]]が必要になるなどアクションRPGになっている。


== ゲーム内容 ==
ストーリーも映画版で登場するミッチェルが[[ボルネオ島]]でキングコングを蘇生させるのに必要な輸血を行うためにレディコングを探し出すという映画版のプレストーリー位置付けとなっている。またプレイヤーは『怒り』ではコングを操作するのに対して本作ではミッチェルを操作する。
プレーヤーは主人公ハンク・ミッチェルとなってゴルネボ島の各地に秘められた謎を解いていく{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}。主人公はアイテムを探し出していくうちに、魔法も使えるようになっていく{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}。そして2種類あるアイテム欄のアイテムを切り替えながら、冒険を行うこととなる。


ゲーム開始時はキャラクター設定もなく、島の各地にある建物に入って武器を購入したり、島について様々な情報に関する話を聞き出してゲームを進めていく{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}。
プレイヤーは2種類あるアイテム欄のアイテムを切り替えながらミッチェルを操作し、レディコングを探し出すために冒険を行うこととなる。自分のHP([[ヒットポイント]])がなくなると[[ゲームオーバー]]だが、[[ゲームオーバー#コンティニューについて|コンティニュー]]何回でも可能になっている。ただしコンティニューの回数およびゲーム内での経過日数により[[エンディングデモ|エンディング]]が3種類(コング蘇生失敗、蘇生成功、さらにベビィコングも誕生)に変化する。また[[セーブ (コンピュータ)|セーブ]]はデフォルトでは実装されておらず、後に発売された『[[火の鳥 鳳凰編 (MSX)|火の鳥 鳳凰編]]』をMSXのスロット2に挿すことで可能になる。


ある建物に暮らしている祈祷師から「てむさの呪文」をもらうことができ、これを使うと石の建物が消えて、ダンジョンなどの入り口が現れる{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=247}}。島から海へ、再び陸地へ上がるとより強力な敵が待ち構えているコングの神殿がある{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=247}}。
後にコナミで多くの曲を作曲した[[古川元亮]]がコナミ入社後に最初に作曲を行ったのは本作のエンディングだった<ref>[http://www.ga-core.net/special/sp002_1_1.php 古川もとあきインタビュー] ゲームミュージック・コア</ref>。


ゲームの目的を達成するためには、特定のアイテムを持ってレディ・コングと出会わなければならない{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=247}}。
== 操作方法 ==

*'''[[方向キー|カーソルキー]] {{Keypress|↑}} {{Keypress|↓}} {{Keypress|←}} {{Keypress|→}} および[[ジョイパッド]]十字キー''': キャラクターの移動。
=== システム ===
*'''[[スペースキー]] {{Keypress|Space}} またはトリガA''': アタック。
地形は[[画面切り替えスクロール]]方式で、ゲームを進めていくうちに重要な敵を倒すと、新たな道が開けてさらに島の奥へ捜索できるという広大なマップが用意されている{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}。マップ内には原住民の村があり、ここで食事をする場所や、体を休めるための宿場がある{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}。

自分のHP([[ヒットポイント]])がなくなると[[ゲームオーバー]]だが、主人公が敵にやられてしまっても、[[ゲームオーバー#コンティニューについて|コンティニュー]]を使ってゲームの続きを始められ{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}、何回でも可能になっている。ただしコンティニューの回数およびゲーム内での経過日数により[[エンディングデモ|エンディング]]が3種類(コング蘇生失敗、蘇生成功、さらにベビィコングも誕生)に変化する。また[[セーブ (コンピュータ)|セーブ]]はデフォルトでは実装されておらず、後に発売された『[[火の鳥 鳳凰編 (MSX)|火の鳥 鳳凰編]]』をMSXのスロット2に挿すことで可能になる。MP(マジックポイント)は宿屋に泊まるか、特定の敵を倒すと回復できる。

画面右側に主人公ミッチェルのステータス表示枠があり、DAYS、LIFE、EXP、LEVEL、MP、GOLDの各数値、およびSHOT1とSHOT2にそれぞれの装備アイテムが表示される{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}。

入手できるアイテムは35種類{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=247}}。「ナイフ」「コングの爪」などの武器、「てむさの呪文」「ねむりの呪文」などのMPを消費するもの、「本」「コングの瞳」などゲームを進めていくために必要なものがあり、F2キーでセレクト画面に入ってSHOT1、SHOT2に装備するアイテムを設定することで使用できるようになる{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=247}}。

== ストーリー ==
ジョージア州アトランティック大学の構内に世界最大の集中治療室が準備され、そこには1頭の巨大な類人猿が[[昏睡]]状態のまま横たわっていた。その類人猿の名はキングコングとよばれていた。9年前に世界貿易センタービルから墜落して死んだと思われていたが、世界最高の医学技術をもつ医療チームが、このコングの治療にあたっていたのだ。しかし、コングを蘇らせるために必要な人工心臓移植手術を施術するために、輸血できる血液を必要としていた。{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}

南の海に浮かぶゴルネボ島に伝わる伝説「コング伝説」によれば、第2のコングがこの島に潜んでいるという。主人公ハンク・ミッチェルは、医療チームから依頼を受け、コングの手術の成功のカギを握る第2のコング「レディ・コング」を見つけ出し、アメリカまで連れて帰る使命を携えて単身ゴルネボ島へと旅立っていった。{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}

== 開発 ==
本作のエンディング曲は、後にコナミで多く作曲した[[古川元亮]]がコナミ入社後に最初に作った曲である<ref>[http://www.ga-core.net/special/sp002_1_1.php 古川もとあきインタビュー] ゲームミュージック・コア</ref>。

ゲームのストーリーは、映画『キングコング2』のものと少し内容が変わっている{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=246}}。

== 評価 ==
[[ホビーパソコン]]総合誌『[[マイコンBASICマガジン]]』1987年2月号の紹介記事によれば、「コナミのアクションゲームの実力が、RPGのシナリオ上で存分に生かされたソフト」と全体的には肯定的な総合評価を下しており、「スタートの気軽さに反して、何と奥行きのあるゲームだ」とゲームを進めていく上でのプレーヤーにかかる負担の厳しさについて所感を述べている{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=247}}。

ゲーム性については、肯定的なコメントとして「スピーディな展開で、BGMもGood! キャラクターの動きもよくできている。デカキャラや背景もきれいだ」としている{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=247}}。その一方で、「キングコング2の映画の内容とまったくちがう方向にずれてしまったような気がする。ストーリーに問題がある」「セーブができずにコンティニューだけ、というのは少しつらい」といった否定的意見も述べられている{{Sfn|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号|p=247}}。


== 脚注・出典 ==
== 脚注・出典 ==
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== 参考文献 ==
* {{Cite journal|和書|author=W.Fast|title=キングコング2 甦る伝説|journal=[[マイコンBASICマガジン]]|volume=1987年2月号(第6巻第2号)|publisher=[[電波新聞社]]|date=1987年2月1日|page=246 - 247|ref={{SfnRef|『マイコンBASICマガジン』1987年2月号}} }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[MSXのゲームタイトル一覧]]
* [[MSXのゲームタイトル一覧]]

== 外部リンク ==
* [http://www.8-bits.info/gamelist/MSX2/info/info_JViT4X6SXbbuLZts.php 8BITSホーム キングコング2 -甦る伝説-]


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[[Category:怪獣を題材としたコンピュータゲーム]]
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[[Category:サルを主人公にしたコンピュータゲーム]]

2024年1月19日 (金) 14:32時点における最新版

キングコング2 甦る伝説
ジャンル アクションロールプレイングゲーム
対応機種 MSX2
開発元 コナミ
発売元 コナミ
人数 1人
メディア ロムカセット
発売日 1986年12月下旬
テンプレートを表示

キングコング2 甦る伝説』(キングコングツー よみがえるでんせつ)は、1987年コナミより発売されたMSX2アクションRPGである。

同じくコナミから発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』とともに、アメリカで制作された映画キングコング2』をゲーム化した作品である。

ゲーム内容[編集]

プレーヤーは主人公ハンク・ミッチェルとなってゴルネボ島の各地に秘められた謎を解いていく[1]。主人公はアイテムを探し出していくうちに、魔法も使えるようになっていく[1]。そして2種類あるアイテム欄のアイテムを切り替えながら、冒険を行うこととなる。

ゲーム開始時はキャラクター設定もなく、島の各地にある建物に入って武器を購入したり、島について様々な情報に関する話を聞き出してゲームを進めていく[1]

ある建物に暮らしている祈祷師から「てむさの呪文」をもらうことができ、これを使うと石の建物が消えて、ダンジョンなどの入り口が現れる[2]。島から海へ、再び陸地へ上がるとより強力な敵が待ち構えているコングの神殿がある[2]

ゲームの目的を達成するためには、特定のアイテムを持ってレディ・コングと出会わなければならない[2]

システム[編集]

地形は画面切り替えスクロール方式で、ゲームを進めていくうちに重要な敵を倒すと、新たな道が開けてさらに島の奥へ捜索できるという広大なマップが用意されている[1]。マップ内には原住民の村があり、ここで食事をする場所や、体を休めるための宿場がある[1]

自分のHP(ヒットポイント)がなくなるとゲームオーバーだが、主人公が敵にやられてしまっても、コンティニューを使ってゲームの続きを始められ[1]、何回でも可能になっている。ただしコンティニューの回数およびゲーム内での経過日数によりエンディングが3種類(コング蘇生失敗、蘇生成功、さらにベビィコングも誕生)に変化する。またセーブはデフォルトでは実装されておらず、後に発売された『火の鳥 鳳凰編』をMSXのスロット2に挿すことで可能になる。MP(マジックポイント)は宿屋に泊まるか、特定の敵を倒すと回復できる。

画面右側に主人公ミッチェルのステータス表示枠があり、DAYS、LIFE、EXP、LEVEL、MP、GOLDの各数値、およびSHOT1とSHOT2にそれぞれの装備アイテムが表示される[1]

入手できるアイテムは35種類[2]。「ナイフ」「コングの爪」などの武器、「てむさの呪文」「ねむりの呪文」などのMPを消費するもの、「本」「コングの瞳」などゲームを進めていくために必要なものがあり、F2キーでセレクト画面に入ってSHOT1、SHOT2に装備するアイテムを設定することで使用できるようになる[2]

ストーリー[編集]

ジョージア州アトランティック大学の構内に世界最大の集中治療室が準備され、そこには1頭の巨大な類人猿が昏睡状態のまま横たわっていた。その類人猿の名はキングコングとよばれていた。9年前に世界貿易センタービルから墜落して死んだと思われていたが、世界最高の医学技術をもつ医療チームが、このコングの治療にあたっていたのだ。しかし、コングを蘇らせるために必要な人工心臓移植手術を施術するために、輸血できる血液を必要としていた。[1]

南の海に浮かぶゴルネボ島に伝わる伝説「コング伝説」によれば、第2のコングがこの島に潜んでいるという。主人公ハンク・ミッチェルは、医療チームから依頼を受け、コングの手術の成功のカギを握る第2のコング「レディ・コング」を見つけ出し、アメリカまで連れて帰る使命を携えて単身ゴルネボ島へと旅立っていった。[1]

開発[編集]

本作のエンディング曲は、後にコナミで数多く作曲した古川元亮がコナミ入社後に最初に作った曲である[3]

ゲームのストーリーは、映画『キングコング2』のものと少し内容が変わっている[1]

評価[編集]

ホビーパソコン総合誌『マイコンBASICマガジン』1987年2月号の紹介記事によれば、「コナミのアクションゲームの実力が、RPGのシナリオ上で存分に生かされたソフト」と全体的には肯定的な総合評価を下しており、「スタートの気軽さに反して、何と奥行きのあるゲームだ」とゲームを進めていく上でのプレーヤーにかかる負担の厳しさについて所感を述べている[2]

ゲーム性については、肯定的なコメントとして「スピーディな展開で、BGMもGood! キャラクターの動きもよくできている。デカキャラや背景もきれいだ」としている[2]。その一方で、「キングコング2の映画の内容とまったくちがう方向にずれてしまったような気がする。ストーリーに問題がある」「セーブができずにコンティニューだけ、というのは少しつらい」といった否定的意見も述べられている[2]

脚注・出典[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]