江戸川コナン

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工藤 新一(くどう しんいち、5月4日 -)及び江戸川コナン(えどがわこなん)は、青山剛昌作の漫画、テレビアニメ・テレビドラマ『名探偵コナン』に登場する架空の人物。

江戸川コナンは工藤新一の仮の姿である(詳細は概要参照)。

アニメでの声優は、江戸川コナン・幼年期の工藤新一が高山みなみ、工藤新一が山口勝平。 ドラマでは江戸川コナンの声を高山みなみ、工藤新一を小栗旬が演じた。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


概要

「日本警察の救世主」、「平成のホームズ」などとも言われ、東の高校生探偵として名を馳せたが、「黒の組織」によって試作段階の毒薬(APTX4869)を飲まされ、子供の姿にされてしまう。正体が露見して周りに危害が及ぶのを防ぐため、帝丹小学校に通う1年生、江戸川コナン(えどがわコナン)として、生活している。名前は、父親の書斎にある本に書いてあった江戸川乱歩コナン・ドイルの名前から考え出した(ちなみに名乗った際に『父がコナン・ドイルのファンだから』と言っている)。

人物像

工藤新一として

帝丹高校2年B組。推理オタクであり、中でもシャーロック・ホームズの大ファンで、「世界最高の探偵」と評している。身長は作者と同じ174cm。誕生日は5月4日だが、自分の誕生日を忘れていることが多いらしい(毎年蘭に思い出させられている)。父親は工藤優作、母親は工藤有希子。住所は東京都米花市米花町2丁目21番地。

幼馴染毛利蘭とは両想いなのだが、素直になれないでいる[1]サッカー好きで、中学までサッカー部に所属していた。その技術はJリーグにスカウトされるほどだったが、新一本人はあくまで運動神経を養うためだけに行っていただけらしく、止めてしまった。蘭曰く、続けていれば国立のヒーローになっていたらしい。

コナンが新一だとは夢にも思わない蘭から自分を「だーい好き」だと告白されてしまった。そのため変声機を使用して初めて電話した際「必ず元の体に戻って聞かせてやるからな。オレの本当の声で、本当の気持ちを」と約束し、元に戻ったら蘭に告白しようとしている。一時的に新一の姿に戻った際も、優作が有希子にプロポーズしたのと同じ場所で蘭にプロポーズしようとしたが、事件に遭遇し、何とか事件は解決したものの薬の時間切れ(灰原曰く「予定より24分早かった」)によってそれはかなわなかった。[2]

性格は常に冷静な二枚目を気取っているが、その実は負けず嫌いで嫉妬深く、煽てられると喜びを大いに表したりと、実生活ではクールに成り切れず二枚目半に落ち着いてしまう部分が多くある。特に蘭の事となると、たまに子供のような態度や無謀な行動に走ることも少なくない(その無鉄砲ぶりは阿笠博士にも警告されている)。だがどんなときでも諦めない強い意志と熱い部分を合わせ持つ青年である。

極度の音痴で、コナンとなった現在でもそれは変わらない。ただ、日本音響研究所の所長・鈴木松美(実在の人物)曰く、「この音痴は声が上手く出せない音痴であって、音はしっかり聞くことができる音痴である」とのこと。実際に、作中においても音感に関してのみでは蘭よりも遥かに優れており、絶対音感を持っているとも推測される。しかし、音楽の授業は苦手[3]

携帯のロックナンバーは「4869(「シャーロック」の語呂合わせ)」。しかしこれは阿笠博士の携帯を使って蘭の疑いを晴らそうとした時のもの。

ネイティブの人とも普通に話せるほど英語に堪能である一方で、蘭にさえ違和感を覚えさせるほど妙な関西弁を披露したり、ポルトガル語ができなかったりと、語学力に関してはそこまでの才能はないと思わせる一面も。しかし、作者曰く外国語は「いっぱい」話せるとのこと。

劇場版では拳銃や乗り物の扱いにも精通しており、本人曰く「ハワイで親父に教わった」(これについては、「ハワイで~」を入れれば何でもOKなのかという批判も多い)。

小学生の頃は恥ずかしがって蘭のことを苗字の「毛利」と呼び、自分のことも「工藤くん」と呼ばせようとしていた時期があったが、とある些細な謎解き事件がキッカケで、現在でも互いに下の名前で呼び合うようになったという年相応の過去もある。

周りからの呼ばれ方は、蘭・優作・小五郎が「新一」、阿笠・園子が「新一君」、灰原が「工藤君」、有希子が「新ちゃん」、服部が「工藤」。

好きな言葉は "When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth." 「不可能なものを除外していって残ったものが、例えどんなに信じられなくても、それが真相である」であり、これもホームズの推理論である。『四つの署名』より。だが、好きなサッカー選手が犯人の事件の際、そのことを信じたくなくて血がのぼり、その信念を忘れていた。

風邪の状態で中国酒の白乾児(パイカル)を飲むことで一時的に体が元に戻ったことが、劇場版とOVA版を含めて3回ある[4]。また、灰原哀が白乾児の成分を参考にして作った解毒剤で元に戻ったことも一度あり、その際は灰原の変装による偽装が行われた。だがその反面、体にかける負担は大きく、いずれの場合も風邪に近い状態であり、解毒剤の効果が切れコナンの姿に戻るタイムリミットが近づくにつれ呼吸が荒くなり、激しい動悸のため胸を押さえるシーンがある。

また基本的には標準語を話すが、親しい者との日常会話にはしばしば江戸っ子特有の表現(後述の「バーロ」や、語尾に「よ」を多用する傾向がある(「~って言ってたからな」→「~って言ってたからよ」)ことなど)が混ざることがある。

江戸川コナンとして

帝丹小学校1年B組。毛利家に居候中。体重は18kg。新一と同様かなりの音痴。女性免疫が弱いためか、蘭の着替えを見たときに赤面したり、一緒にお風呂に入ったときには鼻血を出したりしている。声も幼い頃のものに戻っている。

小さい頃の顔を知っている蘭に不審がられないよう、父親・工藤優作の眼鏡を咄嗟に掛けたことから、日常的に眼鏡を掛けるようになった。しかし視力は新一の頃のままなので、レンズに度は入っていない。以後は阿笠博士に改良してもらったものを使用。体力などは相応の子供並に落ちているが、性格や癖、頭脳や技術などは変わっていないため、その頭脳を駆使して数々の事件を解決している。また、子供の身体であるがゆえに探偵としての行動に制限が掛かるため、阿笠博士の作ったメカ(「時計型麻酔銃」や「蝶ネクタイ型変声機」など)でそれを補っている。が、あまりにも「小五郎を麻酔銃で眠らせて犯人を追い詰める」というパターンが多いため、現在ではこれをパロディ化した作品も多い(クレヨンしんちゃんケロロ軍曹など)。

推理パターンは『小五郎、園子、山村刑事らを麻酔銃で眠らせ、蝶ネクタイ型変声機で真相を話す』『阿笠博士に口パクさせて変声機で真相を話す』『小五郎、目暮警部横溝警部らにヒントを与えて自力で解かせる(一度ジェスチャーで山村刑事に教えたことも)』『服部とのコンビで真相を話す(この場合も小五郎を眠らせることが多い)』などが定番だが、自分で真相を話すこともある。この場合犯人と一対一で相対する場合が多い(劇場版、黒の組織幹部、VS怪盗キッド戦はほぼ毎回このパターン)。ただし、この犯人との一対一の対決は『探偵』としての行動としては明らかに逸脱している行動を多くとっているために子供の体型であることを忘れ、黒の組織関連では100%取り逃がしており、VSキッド戦でも探偵として勝負していると見るならば敗北していることが多い。また電話越しに蘭に推理を話して蘭自身に真相を話させたり、有希子に推理を吹き込んで真相を話させたこともある。少年探偵団がいる時は、彼(彼女)らにトリックの実演またはヒントとなるキーワードを言わせるなどして協力してもらう。

時と場合によって、頭部にヘッドセットを着用する時がある。

単行本25巻において犯人に拳銃で撃たれ、左側腹部貫通の重傷を負った。手術の際に輸血用の血液が不足していたが、蘭からの輸血によって命拾いする[5]

また、かつてベルモットを追い詰めた際にはテレビインタビューによって「奴ら」に自分の生存が確認されてしまうことを恐れていたが、それ以前に「怪盗キッドを追い払ったお手柄小学生」「キッドキラー」などの見出しで何度も新聞に映ったり、毛利小五郎とともに結果的にテレビ出演してしまっていたことが多かったりすることから、意外と注意力散漫なところもあり、時には小学生生活を楽しんでしまっている節もある。

周囲からの呼称は、蘭・歩美光彦・阿笠博士・英理警察関係者が「コナン君」、小五郎・元太が「コナン」、灰原・小林先生が「江戸川君」。周りに正体を知らない人が居ない場合、阿笠は「新一」、灰原が「工藤君」、有希子は「新ちゃん」で平次は何度も「工藤」と言ってしまい蘭などに指摘されると「このボウズ」や「コナン君」などと言い難そうに言い直す。また、キッドは通常「探偵君」稀に「名探偵」で、変装時を除き名前で呼んだことはない。

漫画での決め台詞は「江戸川コナン…探偵さ…」。TVアニメ・劇場版での決め台詞は「真実はいつもひとつ」(放送開始前のアイキャッチで使用。以前は「犯人はお前だ」だったが、視聴者を指差しながらの台詞だったためか変更された)。口癖は「あれれ~?」、「バーロ[6]」。

ちなみに、2006年11月13日の放送の最後に、「コナン」の漢字の書き方について、「胡蝶蘭のコに無理難題の…」と発言していることから、正しい書き方は「胡難」であることが判明した。しかし、これは原作での発表ではないので確かなこととは言えない。ちなみに中国版の表記は「柯南」。

2007年4月23日現在、コナン=新一の事実を知っているのは、阿笠博士、灰原、服部、優作、有希子、ベルモットの六人。 また、赤井秀一ジョディジェイムズキャメルといったFBIの面々も、この事実を知っていると見てもいい。 怪盗キッドは、劇場版でのみその事に気付いている様に描かれており、原作でも気付いているかどうかは不明。 ちなみに、劇場版も含めるならば、ノアズ・アーク(『ベイカー街の亡霊』)もこの事実を知っている。 ノアズ・アークはコナンの記憶情報を読み取ったことから察知した(ノアズ・アークは劇中に消滅。その為、後の展開への影響はないと思われる)。

脚注

  1. ^ 彼が蘭を好きだと思い始めた時期については中学校の頃言ったとされる「小さい頃から気になっている奴がいる」との言及や『水平線上の陰謀』でのエピソードからも小学校低学年、あるいはその前から好きだったのではないかと推測されるが、蘭が新一への想いに気づいたのは高校1年生で遭遇した事件によるものなために、新一の立場として見れば10年以上と相当な年月をかけた片想いだった可能性が極めて高い
  2. ^ 20年前にも優作がここで事件を解決した後有希子にプロポーズをしている。その犯人は新一がといた事件の犯人の父親であり皮肉にも親子二代で事件をといたことになったが、肝心のプロポーズはそうはいかなかった。
  3. ^ リコーダーを吹けば教師にタクトでピシパシ叩かれ、歌を歌えば音程を外す。中学3年間は新一にとっては最悪だったらしい。
  4. ^ 劇場版『迷宮の十字路』内では白乾児と、風邪と同じ作用を起こす阿笠博士の発明した薬によって元に戻り、OVA『コナンvsキッドvsヤイバ 宝刀争奪大決戦!!』では白乾児や奇妙な薬で新一に戻るだけでなく小五郎や平次にもなってしまいギャグマンガのような展開になったが夢オチだった。
  5. ^ 当時コナン=新一と疑っていた蘭は、コナンも新一と同様自分と同じ血液型であることを知っていた。
  6. ^ 『バカヤロー』の意。アニメ版での高山みなみの口調が特徴的に聞こえることからか、ネットスラングとして「バーロー」と誤表記されることが多いが、原作中では「バーロ」の表記の方が主流。本来は青山が『馬鹿野郎』というストレートな罵倒語を作中で用いる事を避けたための表記であり、他のコナンキャラクターも使用する言葉である。

関連項目