両院制
両院制(りょういんせい)、または、二院制(にいんせい)とは、議会が、独立して活動する2つの合議体(議院)によって構成され、双方の議決の一致をもって議会の意思決定とする制度である。
用語法
両院制と二院制
二院制の「二」は、単に数が2つであることを意味しているにすぎない。これに対し、両院制の「両」は、「両輪」「両目」などの用例からも明らかなように、対になっている2つ、という意味合いをもつ漢字である。このように多少の意味合いの違いはあるが、両院制と二院制は全く同義の用語として使われている。
従来は両院制の方が一般的であったが、一院制の普及に伴い、これとの対義語として直感的に分かりやすい、二院制の方が一般化してきた。
第1院と第2院
日本では、ドイツ学説の影響を受けて、下院に相当する衆議院を第1院、上院に相当する参議院・貴族院を第2院と呼ぶのが一般的である。しかし、議会制(そして両院制)の母国であるイギリスでは、上院を第1院、下院を第2院とよんでいる。
両院制の類型
両院制を採用する国家
- アイルランド、アメリカ合衆国、アルジェリア、アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、イギリス、イタリア、インド、ウルグアイ、エチオピア、オーストラリア、オーストリア、オマーン、オランダ
- カザフスタン、カナダ、ガボン、カンボジア、キルギス、グレナダ、コロンビア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国
- ジャマイカ、スイス、スペイン、スロベニア、スワジランド、セントルシア
- タイ、タジキスタン、チェコ、チリ、ドイツ、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴ
- ナイジェリア、ナミビア、日本、ネパール、ノルウェー
- ハイチ、パキスタン、バハマ、パラオ共和国、パラグアイ、バルバドス、バーレーン、東ティモール、フィジー、フィリピン、フランス、ブラジル、ブルキナファソ、ブルンジ、ベラルーシ、ベリーズ、ベルギー、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ボリビア
- マダガスカル、マレーシア、南アフリカ、メキシコ、モーリタニア、モロッコ
- ヨルダン
- リベリア、ルーマニア、レソト、ロシア