編曲家
この記事はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点から説明されていない可能性があります。(2013年7月) |
編曲家(へんきょくか、英: music arranger)とは編曲を行う者のことをいう。
日本における編曲家
日本語では編曲家をアレンジャーと呼ぶこともある。アレンジャーの原義は物事を整える者であり、主に日本におけるポピュラー音楽の歌謡曲(J-POP等含む)制作で編曲を行う人を指す。しかし、本来、英語で「arranger」といえば、「手配師」を指す言葉である。
日本のポピュラー音楽の歌謡曲(J-POP等含む)制作における編曲とは、作曲者(作曲家、アーティスト)の旋律(メロディー)に対して伴奏をつける作業を指す。
編曲は音楽ジャンルや演奏形態によって多種多様に変化し、放送機器、録音機器等の知識も必要な為、音楽理論にとどまらず音楽制作全般に関する知識と技術を要求される。故に経験を重ねたポピュラー音楽の演奏家(スタジオミュージシャン)や音楽理論に精通した作曲家が編曲を行っている事が多かったが、近年は音楽制作のコンピューター化が進みミュージックシーケンサー、シンセサイザー、デジタルオーディオワークステーション(DAW)等の高度な技術を有した演奏家、作曲家が行っている事が多い。
編曲された楽曲に対して演奏パートに特化した編曲家が部分的な編曲を行う事もある。(例:ストリングスアレンジ、ギターアレンジ、ブラスアレンジ、コーラスアレンジ等)
編曲家は本来レコード会社、制作会社、アーティストマネージメント会社等のディレクター、音楽プロデューサーの指示を受け編曲をするが、自らの判断で編曲する場合「サウンドプロデューサー」と記載される場合もある。特に基準は無く区別や権限は曖昧である。また既存の楽曲の伴奏を変えるリミックス、リアレンジ(再編曲)では「リミキサー」と記載される場合もある。
作曲(旋律、メロディー)と異なり、編曲(伴奏、音色、演奏スタイル等)は著作権法上は二次的著作物とされており、現在の日本では通例編曲家に対する印税分配は無い。その為、編曲家の既存楽曲からの安直な引用を問題視する声もある。(サウンドプロデューサー扱いの場合はプロデュース印税となるが、これは著作権印税ではなく原盤印税(著作隣接権)からの分配である。)
日本以外の国では編曲(伴奏)者も含めて作曲者とする事が多く編曲家(アレンジャー)という職業はあまり定着していない。また日本国内の広告や劇中伴奏(劇伴)の音楽制作等においても稀。日本のポピュラー音楽の歌謡曲(J-POP等含む)制作における特有の職業とも言える。