悪魔城伝説

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悪魔城伝説
ジャンル アクションゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
携帯電話(iアプリ)
Wii(VC)
Wii U(VC)
ニンテンドー3DS(VC)
開発元 コナミ
発売元 コナミ
ディレクター 赤松仁司
デザイナー I.Urata
プログラマー 赤松仁司
たけもとみつお
奥田康雄
きたもとしんじ
音楽 船橋淳
森本幸恵
前沢秀憲
佐々木嘉則(欧米版)
シリーズ 悪魔城ドラキュラシリーズ
人数 1人
メディア 3メガビットROM+64キロビットRAMカセット[1]
発売日 FC
日本の旗 1989年12月22日
アメリカ合衆国の旗 1990年10月1日
欧州連合の旗 1992年12月10日
ケータイアプリ2006年8月1日
Wii VC
欧州連合の旗 2008年10月31日
アメリカ合衆国の旗 2009年1月12日
日本の旗 2009年4月21日
Wii U VC
日本の旗 2014年4月16日
アメリカ合衆国の旗 2014年6月26日
欧州連合の旗 2014年9月4日
3DS VC
欧州連合の旗 2014年4月17日
アメリカ合衆国の旗 2014年6月26日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRBE(6歳以上)
PEGI7
コンテンツ
アイコン
ESRB:Fantasy Violence
PEGI:Violence
売上本数 日本の旗 約37万本
アメリカ合衆国の旗 約40万本
世界 約85万本[2]
その他 型式
日本の旗 RC845
アメリカ合衆国の旗 NES-VN-USA
欧州連合の旗 NES-VN-UKV
パスワードコンティニュー方式
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悪魔城伝説』(あくまじょうでんせつ、英題: Castlevania III: Dracula's Curse)は、コナミから1989年12月22日に発売されたファミリーコンピュータソフトアクションゲーム

概要

ゴシックホラーアクションゲーム・悪魔城ドラキュラシリーズのファミコンでの3作目。正式タイトル決定前は「ドラキュラIII(仮題)」となっていた[3]。前2作はファミコンの周辺機器であるディスクシステム専用のソフトであったが、本作は初のファミコン本体用カセットとなった。

ゲームシステムは2作目『ドラキュラII 呪いの封印』(1987年)ではアクションRPGとなっていたが、本作では再びシリーズ第1作目の『悪魔城ドラキュラ』(1986年)同様のステージクリア型アクションに戻った。本作での新たな特徴として、ステージ分岐や、パートナープレイヤーのシステムが登場し、連れている仲間キャラクターにチェンジしてプレイすることも可能となっている。ストーリーは『悪魔城ドラキュラ』よりも100年前の時代の話で、主人公はシモンの先祖であるラルフ・C・ベルモンド。

カートリッジ内には通常ROMに加えてコナミが開発した特殊チップVRC VIが埋め込まれており、当時のファミコンとしてはグラフィックと音楽の質の高さが群を抜いていた上に、内容もゲームバランスと敵の動きルーティーンが相まって、単純な「覚えゲー」ではなく、プレイの上達が実感できるものである[4]。キャッチコピーは、「悪魔城ドラキュラにつづくゴシック・ホラー・アクション」。テレビCMも流された。

2006年8月1日に、コナミデジタルエンタテインメントが提供する携帯電話向けサイト「コナミネットDX」にて、『コナミ名作シリーズ』の第5弾としてiアプリFOMA90xシリーズ以降専用)へ移植・配信された。EASYモードも搭載された。2009年4月21日にはWiiバーチャルコンソールで、2014年4月16日にはWii Uのバーチャルコンソールでそれぞれ配信された。

ゲーム内容

パートナープレイヤー

これまでのシリーズにはなかった、パートナーを連れて行けるシステムがある[4]。ゲーム進行途中、ルート選択によって特定のステージをクリアすると3人の仲間キャラクターに出会い、プレイヤーの判断により主人公ラルフのパートナーとしてコンビを組むことができる。パートナーがいれば、プレイ中にSELECTボタンを押すことでラルフとパートナーとのプレイキャラクターチェンジが可能になる。ライフポイントはラルフとパートナーで共有。

ただし、パートナーとして帯同できるのは1人に限られ、新しい仲間を加えるとそれまでのパートナーとは別れることになる(進行ルートの都合上、別れる事になる仲間は固定)。敢えてパートナーを連れず、終始ラルフ1人だけでクリアすることも可能である。パートナーによっては特殊な移動技能(壁伝いに這う・空中を飛行)を持つ者もおり、その能力を活用することでステージの道中を大幅にショートカットしたり、ラルフでは取れないアイテムを取ることも可能で、どのパートナー(ステージルート)で行くかもゲーム難易度に影響を与えている。エンディングのエピローグは、ゲームクリア時に3人の内の誰を加えているか(もしくはラルフ1人か)により、4種類の話に分かれているマルチエンディング方式を採用している。

ゲームクリア後に始まる2周目以降は、1周目クリア時に連れていたパートナーが最初から居る状態でゲームスタートし、パートナーキャラクターを連れていくか否かを選ぶイベントは発生しない。

再開プレイ

セーブ機能はなく、コンティニュー・パスワード制である[4]。ゲームオーバー時に表示されるパスワードを、再開時にプレイヤー名とともに入力すれば続きからプレイできる。パスワードは文字列ではなく、4行 × 4列のマスの中に鞭やハートなどの絵を入力する方式となっている。移植の携帯電話アプリ版では、セーブ機能が採用され、最大3ファイル + 中断した場所からの再開用ファイルが用意されており、いつでもセーブは可能になった。

ステージ構成

ステージはまずトランシルバニアにある教会からスタートし、前半(1 - 6ブロック)は悪魔城に入るまでの道のり、後半(7 - 10ブロック)は悪魔城内が舞台となる。本作では分岐点が何か所か用意されており、進むルートを自分で選択することができる。どのルートをとっても全10ブロック構成となるが、ブロックによって長さが一定ではなく長いブロックもあるため、ルート選択によりクリアまでの時間・難度も異なる。

分岐箇所は3箇所あり、最低2回は分岐点に遭遇する(序盤の時計台を経由するか否か、森ブロックでの上下分岐)。さらに2回目の分岐点で下ルートを通った場合のみ、3回目の分岐点が発生する(そのまま地下道を進んで地下水路へ、または地下道を抜けて水没都市か)。特に3ブロック森の途中の上下分岐がゲーム展開を大きく変える分岐となる。この分岐箇所を目安に、概ね「上ルート」(幽霊船を経由)と「下ルート」(地下・水没都市を経由)に大別される。下ルート・7ブロックは特に長く(7エリアで構成・中ボスあり)難度も高い。時計台を経由せず上ルートに進むのが最短である。城内8ブロック以降は共通ルートで一本道であり、10ブロックの道中は短い。

アクション面でのシステムは第1作『悪魔城ドラキュラ』とほぼ同じだが、本作では1ブロックに含まれるエリアが3エリアと決まっていなかったり、ボスが登場しないブロックもあったりする(下ルート選択時の森ブロックなど)。

時計台や水没都市・水道橋など『悪魔城ドラキュラ』に比べアクティブなギミックに富んだステージ構成が特徴で上下方向の強制スクロールなどの大仕掛けも存在する。また形態変化をなすボス敵が増えた点も多彩さに一役買っている。

前半共通ルート
  • ステージ1:教会・町・墓場(BGM:Beginning)
    • クリア後分岐1(ステージ2→ステージ2脱出→ステージ3の途中から/ステージ3)(BGM:Desteny(各分岐共通))
  • ステージ2:時計台(BGM:Clockwork) - グラントに出会う。その後、ステージ2の最初まで自力で戻り、ステージ3の途中から始まる。
  • ステージ3:森(BGM:Mad Forest) - 途中の分岐でステージ3後半に行くとサイファに出会う。
    • 途中に分岐2(ステージ3後半〜ボス(上ルート)/ステージ4(下ルート))
上ルート
  • ステージ4:幽霊船(BGM:Anixiety)
  • ステージ5:塔(BGM:Rising)
  • ステージ6:水道橋(BGM:Stream)
  • ステージ7:ドラキュラ城別館(BGM:Aquarius)
下ルート
  • ステージ4:沼地(BGM:Dead Beat)
  • ステージ5:地下道(BGM:Nightmare) - アルカードに出会う。
    • 後半に分岐3(ステージ5ボス戦〜ステージ6/ステージ6')→どのルートを通っても、最終的にステージ7に合流。
  • ステージ6:ドラキュラ城地下水路(BGM:Demon Seed)
  • ステージ6':水没都市(前半BGM:Aquarius/後半BGM:Pressure)
  • ステージ7:ドラキュラ城地下(BGM:Anixiety)
後半共通ルート
  • ステージ8:ドラキュラ城本館(BGM:Dejavu -Vampire Killer-)
  • ステージ9:ドラキュラ城塔内(BGM:Riddle)
  • ステージ10:ドラキュラ城離れの塔(前半BGM:Pressure/後半・ドラキュラ戦BGM:Overture)

アイテム

共通アイテム
ボーナス袋
100点、200点、400点、700点、1000点、7000点の6種類がある。
パワーアップ
第1作『悪魔城ドラキュラ』での名称は「クサリ」。鞭と剣が組み合わさったような形をしている。ラルフ、アルカード使用時にのみ出現し、どちらの場合も最大2回までメインウェポンがパワーアップする。
ハート(小)
サブウェポンの使用回数が1増える。
ハート(大)
サブウェポンの使用回数が5増える。
ロザリオ
画面内の敵を全滅させる。
透明薬
一定時間無敵になる。本作では使用キャラクターに合わせて瓶の色が変化する。また効果が前兆もなく突然切れる。
体力が8目盛り分回復する。
1UP
「1UP」文字の形のアイテム。残り人数が1増える。壁の中に隠されていることが多い。取りにくい場所のロウソクから出る場合もある。『悪魔城ドラキュラ』では隠しアイテムだった。
2連射
ラルフとグラント使用時に登場するアイテム。サブウェポンが2連射可能になる。
3連射
ラルフと欧米版グラント使用時に登場するアイテム。サブウェポンが3連射可能になる。
サブウェポン
短剣
ラルフ、欧米版グラント用のサブウェポン。短剣を前方向に投げる。
オノ
ラルフ、グラント用のサブウェポン。グラント使用時は懐中時計以外のサブウェポンが出るロウソクの中身がすべてこれに変わる。欧米版グラントの場合は、十字架が出るロウソクの中身がこれに代わる。斜め上方向に投げられ放物線を描いて飛び、敵を貫通する。欧米版グラントが天井に張り付いている時は真下に投げ落とす。
聖水
ラルフ専用のサブウェポン。発射後、床に落ちると燃え上がり、炎でダメージを与える。
十字架
ラルフ専用のサブウェポン。真横に発射され、敵を貫通しながら一定距離を飛びターンして戻ってくる。
懐中時計
全キャラクター共通のサブウェポン。敵の動きを一時的に止める。ボス敵には無効。
サイファ専用サブウェポン
サイファ専用のサブウェポン。赤い魔法書の形で出現するアイテムで、サイファ使用時は短剣およびオノが出るロウソクの中身がこれに変わる。ラルフの鞭と同程度の射程距離の火炎を前方に放射する。攻撃力は高い。なお、サイファの魔法はハート消費量がいずれも1で、魔法でロウソクを破壊しても連射アイテムは出ない。
冷気
サイファ専用のサブウェポン。青い魔法書の形で出現するアイテムで、サイファ使用時は聖水が出るロウソクの中身がこれに変わる。周囲に冷気を飛ばし、敵を数秒間凍結させる。凍結した敵は杖で叩けば粉砕して一撃で倒せる。流れる水を凍らせて、一時的に足場にすることも可能。ボス敵に対しては無効。
ライトニングボルト
サイファ専用のサブウェポン。青白い魔法書の形で出現するアイテムで、サイファ使用時は十字架が出るロウソクの中身がこれに変わる。敵をある程度サーチして自動追尾で飛んでいく光弾を3発同時に発射する。1発1発の攻撃力が高い上、敵にあたっても消えずに貫通していく。比較的ゆっくり飛んでいくので弾が1発でも画面に残っていると次が撃てないが、キャラクターチェンジすれば弾は消える。

ストーリー・設定

15世紀ヨーロッパ中世暗黒時代のトランシルヴァニア地方のはずれ。ワラキアヴラド・ツェペシュ公、またの名をドラキュラという、殺戮を喜びとし破壊の限りを尽くす恐るべき人物がいた。それだけに飽き足らなくなった狂王は、古の時代に失われた禁忌の魔法、暗黒邪神崇拝を復活させ、暗黒邪神の力を借りて魔界から次々と魔物を召還し、自らの領土ワラキア全土を殺戮と暗黒の焦土へと変えていった。

さらにこの地を穢し血で染めようと野望に狂った王は、ヨーロッパ全土にその魔の手を広げようと目論んだ。これを受けて東方正教会は、ワラキアに軍隊を派遣したが、誰一人生きて戻ることはなかった。またワラキア国内でも密かにドラキュラ公に対し反発する者達が戦いを挑もうとしたが、ある者は串刺しの刑に処せられ、ある者は化け物の姿に変えられた。ワラキアきっての身軽な男グラント・ダナスティもその1人だった。

ドラキュラ公は絶大な力を求め、自らの身体と魂を悪魔に捧げ、既に人間ではなく悪魔そのものとも言えるまでになっていたが、それだけで満足せず息子のアドリアン・ファーレンハイツ・ツェペシュにも悪魔との契約を強要した。アドリアンは悪魔に魂を売った父に反発していたが、自分の体をも人間でなくされるとついに父に憎しみを覚え戦いを決意し、アルカードと名を変え、元の美しいワラキアに戻すため共に戦う同士を探そうと地下に潜伏した。

なすすべのなくなった正教会は、禁じられた術を身につけ裏の世界に生きるヴァンパイア・ハンター達にワラキア討伐を依頼することを決意し、始めに正教会の修道院修道士であるヴァンパイア・ハンターの僧侶サイファ・ヴェルナンデスに依頼した。幼い頃から修道院を渡り歩きかつての美しかったワラキアに滞在していたこともあるサイファは、その思い出の地が穢されていると知るとワラキアへ向かった。しかしサイファもまた帰還することはなかった。

ここにきて正教会はついに、太古にまでさかのぼる古い血筋を持ち、忌まわしき者達との戦いの中で生き延びてきた一族である真正ヴァンパイア・ハンターと呼ばれるベルモンド家にワラキア討伐を依頼することとなった。ベルモンド家はその人間離れした強靭な精神・肉体能力のためヴァンパイアと同じように受け止められ、人々から恐れられ疎んじられてきたために、いつしか人々の前から姿を消していたが、手を尽くして捜索し、ようやくベルモンドの血を受け継ぐ若者を見つけ出した。そうしてその若者ラルフ・C・ベルモンドは、ワラキアにドラキュラ討伐に向かった。シモン・ベルモンドの時代をさかのぼること100余年、人間とドラキュラの戦いはここから始まった。

キャラクター

プレイキャラクター
ラルフ・C・ベルモンド(RALPH C. BELMOND)
本作の主人公。ヴァンパイア・ハンターであり、シリーズ第1作『悪魔城ドラキュラ』の主人公シモン・ベルモンドの先祖。メインウェポンは鞭で、鞭→鎖の鞭→長い鎖の鞭と3段階にパワーアップ可能。短剣、斧、聖水、十字架、懐中時計の5種類のサブウェポンを使うことが出来、連射アイテムの取得により最大3連射も可能と、シモンの性能と同じ。
サイファ・ヴェルナンデス(SYPHA VELNUMDES)
パートナーの1人。幼少時より東方正教会の各地修道院で修行を積んだ僧侶のヴァンパイア・ハンター。森のブロックのサイクロプスに捕われている。メインウェポンは聖なる杖。サブウェポンで大気の力を借りた魔法の火炎、冷気、光弾(ライトニングボルト)と懐中時計を使うことができる。魔法攻撃が強力で動く敵を追随する光弾は一部ボスを瞬殺することもあるが、防御力は低めなためラルフより多くダメージを受ける。
エンディングでも判明するが、実は女性である。
グラント・ダナスティ(GRANT DANUSTY)
パートナーの1人。小柄で素早く身軽な強い身体能力をもつ。ドラキュラの魔力で化け物の姿に変えられ、時計台の頂上に潜んでいる。メインウェポンである短剣はラルフのサブウェポンと同じだがハートを消費せず投げられる(通常は前方に投げるが、壁や天井に張りついている時は背中側に投げる)。欧米版では通常攻撃がダガーによる近接攻撃に代わり、壁と天井に張り付いている時の攻撃はサブウェポンを使用しての攻撃になる(ハートを消費する)。サブウェポンは斧と懐中時計、欧米版は短剣も加わる。日本版では二連射、欧米版だと三連射までできる。ジャンプ力が高く、空中制御も可能だが、サイファ同様防御力は低い。壁や天井にへばりついて進むことができ、他のキャラクターには行けないショートカットなどができる。ステージの都合上、寄り道になるとはいえ、一番早くパートナーにできる(その後サイファかアルカードを加えた場合、グラントとは別れる)。
アルカード(ALUCARD / ADRIAN F. TEPES)
パートナーの1人。ドラキュラの息子で、本名はアドリアン・ファーレンハイツ・ツェペシュ(「ALUCARD」は「DRACULA」のアナグラム)。本意でないながら、父に強要されて邪神に身体を捧げられ、父同様悪魔との契約によって人間の体ではなくなった。
父の悪事に耐えかね、悪だくみを打倒して元のワラキアに戻すため、地下道に潜伏して強い同志を捜している。メインウェポンはショット弾で、1方向→2方向→3方向ショットと3段階にパワーアップ可能。サブウェポンは懐中時計のみ。攻撃力は低い上、階段上では攻撃できない。コウモリに変身して空を飛ぶことができ(ハート消費)、他のキャラクターが行けないルートなどがとれる(ただし、グラントにしか行けないルートもあるため、万能という程でもない)。コウモリ化は変身中にダメージを受けると元に戻るが、ライフとハートが少しでも残っていればダメージを受けて吹っ飛んでいる最中でも再び変身できるので吹っ飛んで落下死などを回避できる。
敵キャラクター
スケルトン
骸骨のモンスター。ゆっくりと左右に動くだけのものの他、骨を投げるものや倒しても復活するレッドスケルトンがいる。
コウモリ
波型に飛んでくるものと、天井などにぶら下がっていてプレイヤーが近づくと襲ってくるものがいる。
グールラビット(Ghoul Rabbit)
赤いウサギの化け物。細かい動きと高いジャンプ力を持ち襲い掛かってくる。
ハーピー
空を飛び、頭上から足で運んでるグールラビットを落としてくるモンスター。
メデューサヘッド
頭部だけのメデューサ。波型に飛んでくる。
フクロウ
森で襲ってくる獰猛なフクロウ。
アックスアーマー
間合いを取りながら斧を投げてくる鎧兵。第1作『悪魔城ドラキュラ』より動きが遅く、耐久度も少し下がっている。
骨柱
動物の頭蓋骨が重なって出来ているモンスター。その場で動かず、火弾を吐いてくる。
ホワイトドラゴン
頭と長い首だけのドラゴンの骨。壁面に張り付き、体をくねらせ火弾を吐く。頭部以外への攻撃は受け付けない。
ケサランパサラン
足場を移動する毛玉の様なモンスター。異様に耐久度が高く、サイファの冷気の魔法でないと倒す事は困難。
フライングスケルトン
翼があり、飛行して攻撃してくるスケルトン。
フェンシングゾンビ
レイピアを使い、すばやい動きで突いてくるスケルトン。自分の頭を手に持っている。
死門
武器として鞭を使うスケルトン。倒しても復活する赤いものもいる。
ボスキャラクター
スカルトナイト
剣と盾を持った大きなスケルトン。骨を投げてくる「スカルトナイトキング」もいる。
サイクロプス
1つ目の巨人。ハンマーを持ち襲い掛かってくる。
メデューサ
下半身が蛇の胴体で、石化光線と弓で矢を射て攻撃してくる。
ミイラ男
2体で現れる。歩いて包帯を飛ばして攻撃する。
デスファイア
顔のような火の玉。棺の中のモンスターに憑依し、ミイラ男やサイクロプスとなって襲ってくる。この2体に加えレッサーデーモンにも憑依する「デスファイアキング」もいる。
吸血コウモリ
攻撃すると何匹にも分裂する大きなコウモリ。
フランケン
怪力の人造人間。地面を踏み鳴らし、天井から落石させたり、岩を投げつけたりして攻撃する。
双頭竜
2つの頭で水面から首を突き上げて出現し、炎を吐くドラゴン(胴体が水中で見えないので一匹なのか二匹なのかは不明)。
骨竜
骨だけのドラゴン。外見はホワイトドラゴンと同じように見えるが、空中を浮遊して襲いかかってくる。
レッサーデーモン
翼の生えた悪魔。「レッサー」の名とは裏腹に体躯は大柄である。
死神
ドラキュラ城本館に出現する。空中を浮遊し、消えては現れる鎌を飛ばしてくる。ある程度ダメージを与えると巨大な頭蓋骨となる(今回が初めて死神に第2形態がある作品である)。
ドッペルゲンガー
相手の容姿、能力を真似るモンスター。操作しているプレイヤーキャラクターに変身して襲ってくる。
ドラキュラ(ヴラド・ツェペシュ
ワラキアの領主。悪魔に魂を売り、禁忌の術を使って暗黒邪神崇拝を復活させ、その力を借りて魔物達を召喚し、ワラキアを暗黒と殺戮の焦土へ変えた。また自らも邪神に身体を捧げることで悪魔同様の力を手に入れた。頭部にしかダメージが与えられない。倒すと頭部が分裂し邪悪な姿と化す。
暗黒邪神
ドラキュラが崇拝する邪神(像)。魔界から魔物達を召喚させる力を貸した。ドラキュラ第二形態が倒されると登場する最終ボス。
その姿はバビロニア神話に伝わる、熱風の悪霊である魔神パズズに似ている。

開発スタッフ

  • ディレクター: H.Akamatsu(赤松仁司)
  • プランナー: I.Urata
  • プログラマー: H.Akamatsu、M.Takemoto(たけもとみつお)、Y.Okuda(奥田康雄)、S.Kitamoto(きたもとしんじ)
  • キャラクター: I.Urata、T.Fujimoto(藤本武史)、N.Togakushi(戸隠のりやす)、K.Ogawa(小川公一
  • サウンド: H.Maezawa(前沢秀憲)、J.Funahashi(船橋淳)、Y.Morimoto(森本幸恵)、佐々木嘉則(欧米版のみ)

音楽・商品

BGM
本作のロムカセットに搭載されているチップ群 下にあるのがVRC VI

音楽はROMカセット内部にコナミ独自の「VRC VI」というLSIを内蔵していることにより、良質な音質を実現している。

タイトル画面で、説明書に書かれているコマンドを入力すると、本作のBGMを一通り聴くことができ、移植の携帯電話アプリ版でも再現されている。

サウンドトラック
  • 『悪魔城ドラキュラ ファミコン・ベスト』(1990年3月21日、KONAMI)
    CD版とカセットテープ版が発売されたサウンドトラック。本作と『悪魔城ドラキュラ』と『ドラキュラII』のファミコン三部作のBGMとボーナストラックが収録されている。ただし本作のBGMだけ1曲ごとのCDトラック分けがされておらず、数曲まとめて1トラックとされている。
  • 『悪魔城ドラキュラ ベスト』(1998年9月23日、KONAMI)
    上記CDの再発盤。

欧州・北米版との違い

日本版以外の北米や欧州で発売された欧米版である『Castlevania III: Dracula's Curse』は、日本版から若干仕様が変更されている[5]。また北米版と欧州版でも日本版との違いほど大きくはないが多少違いがある。なおこの欧米版は日本国内でリリースされたことはない。

  • パッケージイラストが異なる。
  • 主人公の名前がRalph C. Belmond(ラルフ・C・ベルモンド)ではなくTrevor Belmont(トレバー・ベルモント)である。ヴェルナンデスのスペルはBelnades、ダナスティのスペルはDanastyとなっている。
  • いくつかのステージのカラーリングが変更されたり、オープニングの黒い雲のイラストが修正されている、オープニングの大きな十字架の後光が取り去られた、ステージ8の女性像に服が着せられている、といった背景関連グラフィック変更。
  • いくつかの敵のカラーリングやスプライトが変更され、攻撃パターンが変更されている場合もある(変更されている場合、すべて強化調整であり難易度は上がっている)。グールラビットはせむし男になり、メデューサの胸部はより筋肉質になっている。暗黒邪神の後ろの角は取り払われている。
  • 日本版に採用されていたVRC VIチップを搭載していないため、曲のアレンジが日本版とは異なる別アレンジバージョンになっている(スタッフロールによると日本版にはいなかった欧米版だけのサウンド担当スタッフがいる)。VRC VIはコナミ独自開発のチップであり、標準の5チャンネルに加えて矩形波を2ch、鋸波を1ch追加して合計8チャンネル扱うことができた。NES本体にはカートリッジ音声入出力端子が搭載されていなかったため、欧米版には任天堂純正のMMC5を採用することになり、それに合わせて音源が書き換えられた(欧州版では音程が高く速い)。また、PCMで再現可能であるにも関わらずパーカッションの音が微妙に劣化している箇所もある。ステージ9の曲は少し短くアレンジされている。
  • グラフィックのクオリテイは若干ながら劣る。背景で使われているエフェクトは欧米版には存在せず、これも日本版に搭載されていたコナミ製チップを欠いていることが原因である。
  • 難易度が若干上がり、敵から受けるダメージはゲームの進行度によって増加する(北米版と欧州版では減り方が違う)。最終ステージでボスに敗れるとボス直前ではなくステージ最初からのリスタートとなる。
  • ゲーム中に使われるフォントが日本版は標準的なものであるのに対して、欧米版はブラックレターのような様式になっている。
  • 日本版にない要素として、特殊なプレイヤー名を入力することで隠し要素が発動する。ゲーム開始時(また再開時)に残機を10機で始めることができたり、サブキャラクターを使ってゲームを開始したり、より難しい設定でプレイできたりなど。

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム4.5/5stars (FC)[6]
Eurogamer8/10点 (Wii)[7]
ファミ通30/40点 (FC)[8]
(シルバー殿堂)
IGN9/10点 (FC)[9]
9/10点 (Wii)[7]
NintendoLife9/10stars (Wii)[7]
ファミリーコンピュータMagazine21.55/30点 (FC)[1]
Aktueller Software Markt10/12点 (FC)[9]
The Video Game CriticA (FC)[10]
  • ゲーム雑誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは7・8・8・7の計30点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得(ただし当時は何々殿堂という呼称システムはまだなかった)[11][8]。レビュアーの意見としては、「狂信的なファンが多い第一弾のスタイルを受け継いでるので、一見『これぞドラキュラ!』と言えそうな気もするが、感覚的に第一弾とはチョト違う。」などと評されている[11]
  • ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票レビュー「ゲーム通信簿」では以下の通り、21.55点(満30点)だった[1]。また、同誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「このゲームには個性豊かな面が豊富に取り揃えてある。似たような面は、ほとんどないといって良い。人によって意見の相違があるかもしれないが、VRC6の能力によりファミコンとは思えない程の美麗なグラフィックが。特に時計塔が強烈」と紹介されている[1]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.72 3.99 3.43 3.66 3.46 3.29 21.55

脚注

  1. ^ a b c d 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、6 - 7頁。 
  2. ^ Castlevania III: Dracula's Curse(NES)”. 2014年11月29日閲覧。
  3. ^ 本作のエンディングのスタッフロールでも「DRACULA III」と表記されている他、欧米版では正式タイトルに「Castlevania III」が含まれている。
  4. ^ a b c M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』77ページ
  5. ^ Castlevania III - Schnittberichte.com (Detaillierte Fassungs- und Zensurinformationen zu DVD, Blu-ray, Games ...)
  6. ^ Baker, Christopher Michael. “Castlevania III: Dracula's Curse Review”. Allgame. 2012年12月6日閲覧。
  7. ^ a b c Castlevania III: Dracula's Curse for Wii (2008) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年4月15日閲覧。
  8. ^ a b 悪魔城伝説 [ファミコン]/ ファミ通.com”. KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月5日閲覧。
  9. ^ a b Castlevania III: Dracula's Curse for NES (1989) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年4月15日閲覧。
  10. ^ The Video Game Critic's NES Reviews”. videogamecritic.net. 2012年12月6日閲覧。
  11. ^ a b ファミコン通信』第1・2合併号、アスキー、1990年1月5日。 

外部リンク