作詞家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。加藤枳殻 (会話 | 投稿記録) による 2020年5月17日 (日) 01:54個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎日本における作詞家: 出典不明記の箇所を削除致しました。何か問題がありましたらご一報下さい)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

作詞家(さくしか)は、歌詞となる言葉を創り上げる者のこと。その中でも特に、それを生業とする者を指す。また作曲家に対して歌詞を提供する者のこと。

専業の作詞家だけでなく、歌手小説家詩人芸能人放送作家など他業種を本業とする者が関わる事も多い。

西洋音楽における作詞家

西洋音楽では19世紀後半には作詞家、作曲家演奏家という専門分化がみられる[1][2]

東洋の伝統音楽など西洋音楽以外の分野では西洋音楽における作詞家、作曲家、演奏家などの概念を訳語として当てる際に注意する必要がある[2]。例えばカルナータカ音楽を五線譜にしてヨーロッパに紹介したチンナスワーミ・ムダリヤール(1813年-1901年?)[1]は、サンスクリット語で言葉と音楽の達人を意味するヴァーッゲーヤカーラ(vaggeyakara)にcomposer(作曲家)という訳語を当てたが、ヴァーッゲーヤカーラは詩を作って旋律にのせて歌を歌う者であり多くは哲学者で聖者でもあった[2]

日本における作詞家

1990年代終盤から作詞作曲編曲までをこなす音楽家が増え、ポップス界における作詞家の活躍舞台は激減している。

専業の作曲家同様、音楽作家事務所や作家エージェントに認められ、その後作品実績を増やしていくのが一般的である。

作詞家の印税は、JASRACの使用料規定によりCDの場合は売上の6%、ライブの場合は売上の5%が著作権使用料としてレコード会社やコンサート主催者から徴収され、これらを契約に応じて作曲家音楽出版社と分配する。

著作権法20条(同一性保持権)により、著作者の意に反する改変は禁じられており、作詞家の許諾を受けた場合を除いて歌詞は「一字一句変えてはならない」。そのため、森進一の「おふくろさん」のように、作詞を手掛けた川内康範に無断で変更した結果、同曲の演奏禁止という事態に発展した例もある(おふくろさん騒動)。

作詞家になるのに特に資格はいらないが専門学校はある。

脚注

  1. ^ a b 井上貴子『近代インドにおける音楽学と芸能の変容』2006年、30頁。 
  2. ^ a b c 井上貴子『近代インドにおける音楽学と芸能の変容』2006年、123頁。 

関連項目