悪魔城ドラキュラ黙示録

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悪魔城ドラキュラ黙示録
ジャンル アクションゲーム
対応機種 NINTENDO64
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント神戸
発売元 コナミ
人数 1人
メディア 96MbitROMカセット
発売日 1999年3月11日
対象年齢 ESRB: Teen
その他 振動パック対応
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悪魔城ドラキュラ黙示録』(あくまじょうドラキュラもくしろく、英題: Castlevania)は、コナミから1999年3月11日に発売されたNINTENDO64用ソフトのアクションゲーム

概要

ゴシックホラーアクションゲーム・悪魔城ドラキュラシリーズのNINTENDO64での1作目であり、シリーズ初の3D作品である。開発中は「悪魔城ドラキュラ3D(仮称)」というタイトルで発表されていた。

ベルモンドの血をひき先祖伝来の聖なる鞭を武器とするヴァンパイアキラーのラインハルト・シュナイダーと、魔導一族ヴェルナンデスの血をひき魔法で攻撃する少女キャリー・ヴェルナンデスという2人の主人公が、復活したドラキュラ伯爵を封印するべく悪魔城へ向かう。キャッチコピーは、「宿命の血、運命の闘い。」。2人のどちらかを選択してゲームスタートする。舞台は同じ1852年の悪魔城であるが、2人のシナリオはそれぞれ別で、ステージルートは2人共通のステージとそれぞれ専用のステージが設けられておりボス敵やイベントなど異なるものもある。基本システムはステージクリア型の3Dアクション。ステージによっては謎解き・探索の要素もありアクションアドベンチャーとも。なお同年末には、『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝 LEGEND OF CORNELL』も発売されている。

購入特典としてゲーム販売店等では、本作のオリジナルステッカー(サイズはパッケージ箱と同程度で銀色、ラインハルトやキャリーなど複数シールがあり個別にはがせる仕様)が付いた。

本作の主な仕様

シリーズで初めて悪魔城のキャラクターやステージが3Dポリゴンで表現され、リアルな雰囲気と臨場感ある悪魔城の世界観が構築されており、タイトルロゴ内には「Real Action Adventure」と表記されている。作中の時代が19世紀の近世ということもあり、バイクに乗ったスケルトンやチェーンソーを振り回す大男、科学的なオブジェなど近代的なところも見られる。音楽は静かめな落ち着いた曲調が多いながらも荘厳なサウンドで、オープニングタイトルではヴァイオリンが弾かれ、打楽器が多用された重厚な曲も多く、効果音なども重低音が強調されている。音声は英語音声が一部あり、イベントシーンでは映画のような日本語字幕が付いている。

キャラクター操作における仕様

攻撃は各キャラクターの持つ基本の攻撃と、どちらも共通の近距離攻撃に分けられる(キャラクターを参照)。近距離攻撃は基本攻撃よりも攻撃力は低いが、出が速く、走りながらも攻撃でき、体にまとわりつく敵などにも対処できる。悪魔城シリーズ従来のサブウェポンも使用することができ、短剣、斧、聖水、クロスの4つのいずれかをアイテムとして取得して1つだけ所持できる。サブウェポンの使用にはレッドジュエル(従来でのハートにあたる)を消費する。走る動作の最中にスライディングすることもでき、攻撃判定も持つ。

操作面では、カメラはプレイヤーが自分である程度自由に操作可能である。特にロックオンのRボタンは重要で、押すとプレイキャラの後方からの視点にカメラが移動する(Action view時)。カメラview変更の△ボタン押しっぱなし + 3Dスティックでは周囲全体を見回して周辺状況を確認できる。本作はアスレチックな構成のステージが多めなためジャンプアクションも多く、その際ジャンプ先につかまって這い上がったりつかんでぶら下がったまま移動できるのが特徴的で、ジャンプ時にぎりぎりで届く場合や端から落下した瞬間などにもジャンプボタンを押しっぱなしにしているとつかまれる。

システム的な仕様

本作の特徴として、多種多様な仕掛けやトラップで構成されたアスレチックなステージや、調べるボタンでさまざまなオブジェを調べられ探索していくステージが挙げられる(悪魔城中心部までの前半ステージではあらゆる物に反応がある)。また、日数と時刻の概念が存在し、特に昼と夜で大きく変化する。時間帯によって強くなる敵や開く事のできる扉、昼と夜で仕掛けが解けるなど変化もあり、野外では時間の経過によって雷が鳴ったり雨が降ったりと天候も変わっていく。「アイテム」の要素もあり、ステージ内で拾ったり、オブジェを調べたり、お金で購入する事ができる。

吸血鬼になった村人や吸血鬼執事、吸血鬼メイドなどヴァンパイア系の敵がよく出てくることや、それらのヴァンパイアが吸血攻撃してくるのも本作の特徴で、噛まれることによってステータス異常の半吸血鬼状態となってしまい近距離武器しか使えなくなり、そのまま夜の午前0時を迎えると完全に吸血鬼化してゲームオーバーになる。半吸血鬼状態の解消には、アイテムの浄化石を使用する必要がある。

ゲームスタート時に難易度設定をEasy、Normal、Hardから選択できるが、Easyでは途中(悪魔城中心部)までしか行けず、Hardは最初は選べず特定の条件をクリアすると出現する。セーブは道中の所々にあるホワイトジュエル(セーブポイント)で行う。ゲーム内日数によって最終部近くのイベントやエンディングも分岐し、ラインハルトとキャリーそれぞれ2通りずつ、全部で4つのマルチエンディングとなっている。

キャラクター

ラインハルト・シュナイダー(CV:アンドリュー・ハンキンソン)
ベルモンド一族の正統ヴァンパイアキラー。故郷ワラキアの森で修行の日々を過ごしていたがドラキュラ復活を知り、先祖伝来の聖なる鞭を手に魔王ドラキュラ伯爵討伐に立つ。「無抵抗の者を攻撃してはならない」という父ミハイルの教えを守り、真面目で信心深い。25歳、身長183cm、体重78kg。スタート時のセリフは「Courage, don't leave me.」。
ラインハルトの基本攻撃は、中距離武器の鞭と近距離用武器のダガー。鞭は2段階までパワーアップ可能で、3段階目になると攻撃力と射程距離が増して鞭振りに赤いエフェクトがつく。
キャリー・ヴェルナンデス(CV:ビアンカ・アレン)
人知れず血を受け継いできた魔導一族・ヴェルナンデスの少女。数年前、あることをきっかけに退魔の力が覚醒した。魔王ドラキュラ伯爵の復活が迫っていることを感じとり、不幸になる子供を増やさないため、ドラキュラ封印を決意し、一族の証である退魔の力をふるって悪魔城を目指す。子供扱いされることを嫌う。12歳、身長142cm、体重35kg。スタート時のセリフは「Whatever awaits, I have no regrets.」。
キャリーの基本攻撃は、遠距離攻撃可能な魔法エネボールと近距離用のリング。エネボールはボタン押しっぱなしで溜めることが可能で、溜めると攻撃力が増して敵を自動追尾するホーミング性能がつく。こちらもアイテム取得により2段階までパワーアップ可能で、攻撃力が増しエネボールの色が変わる。
ドラキュラ伯爵(CV:不明)
ベルモンドとの戦いより100年後、邪悪な魔力と共に再び蘇った吸血鬼。魔物を操って町や村を焼き払い、ある目的のため、幼い子供たちを悪魔城に連れ去る。
マルス(CV:HARALD GJERD)
ワラキア地方の小さな町の少年。魔物達の襲撃で町は焼き払われ、マルスは生き延びるが、悪魔城に連れ去らわれドラキュラ伯爵に捕らえられる。狙われた理由はマルス自身も知らず悪魔城別邸の庭園にて、記憶の多くが失われた形で、主人公たちと出会う。
アクトリーセ
魔女。吸血鬼ジルドレ死神とともにドラキュラの復活を目論む。
レノン
悪魔。人の姿をしており紳士的態度で物腰柔らかく、見た目はジャン・レノ似。悪魔城別邸内に置かれている契約書を前に姿を現し、その後も契約書とともに各所で現れる。城に来た冒険者などの人間にアイテム販売の契約をする商人であり、「地獄の沙汰も金次第」という商売優先のビジネスマン気質であるが、契約書には実は恐ろしいことになるかもしれない内容も書かれている。なお、稼ぎ時となる状況の場合、個人との取引よりもそちらを優先するが、その折は連絡を入れる心持ちはある。
チャーリー・ビンセント
「最強のヴァンパイアキラー」を自称する初老の男。有名な吸血鬼研究の第一人者で、様々な吸血鬼関連著書論文なども出している。復活したドラキュラ退治のため、聖水・白木の杭・大小各種の十字架など対吸血鬼道具を全身に身に着けて訪れた。悪魔城別邸の一室に滞在中に主人公たちと出会う。
ローゼ
吸血鬼になってまだ日が浅い元人間の美しい女性。信心深く、吸血鬼になってしまった身を嘆いている。悪魔城別邸のバラ園でラインハルト達と出会う。バラの世話をしており、白いバラに水の代わりに血を注いで赤くし、ドラキュラ伯爵に捧げる赤いバラを育てている。

ステージ

Stage BGM ボス
沈黙の森 - キングスケルトン
城壁 見張り塔 ホワイトドラゴン
悪魔城別邸 静かな狂気 ガーデンキーパー
スタチュードッグ
吸血鬼(男)
吸血鬼(女)
地下坑道[1] Invisible Sorrow -
地下水路[2] 深緑の罠 -
悪魔城中心部 本丸~メインテーマ ベヒモス
ローゼ[1]
ヴェルナンデスの戦士[2]
決闘塔[1] 決闘塔 ワーパンサー
ワーウルフ
ミノタウロス
ワータイガー
科学塔[2] 科学塔 -
処刑塔[1] 処刑塔 -
魔法塔[2] 魔法塔 -
柱時計の間 - 死神[1]
アクトリーセ[2]
時計塔 歯車 -
悪魔城天守 暗雲階段 レノン[3]
ビンセント[4]
ドラキュラ
真ドラキュラ[5]
ドラキュラファイナル[5]

主なスタッフ

  • エグゼクティブプロデューサー: 梅崎重治
  • プロデューサー: 蛭子悦延
  • ディレクター: 柴田裕治
  • プランナー: 薬師寺健雄、森澤友裕、柴田洋、福山愛(柴田愛)、中島貴広
  • プログラムディレクター: 柴田裕治
  • チーフプログラマー: 柴田洋
  • チーフデザイナー: 森澤友裕
  • サウンドディレクター: 冨田朋也
  • ミュージックコンポーザー: 木村雅彦古川元亮江川麻理子
  • イラストレーター: 梅津泰臣
  • 声優: ANDREW HANKINSON(ラインハルト)、BIANCA ALLEN(キャリー)、HARALD GJERD(マルス)、SCOTT MCCULLOCH(ナレーション)

関連商品

攻略本
  • 「悪魔城ドラキュラ黙示録 公式ガイド」(NTT出版)
  • 「悪魔城ドラキュラ黙示録 公式ガイドブック 完全版」(双葉社)
  • 「悪魔城ドラキュラ黙示録 パーフェクトガイド」(新紀元社)
音楽CD
  • 「悪魔城ドラキュラ黙示録 オリジナル・ゲーム・サウンドトラック」

脚注

  1. ^ a b c d e ラインハルト編のみ
  2. ^ a b c d e キャリー編のみ
  3. ^ 契約条件をオーバーした場合
  4. ^ 悪魔城天守にたどり着くのがビンセントより遅かった場合
  5. ^ a b 悪魔城天守にたどり着くのがビンセントより早かった場合

外部リンク

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