震生湖
震生湖 | |
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震生湖(2006年12月) | |
所在地 | 神奈川県 |
位置 | 北緯35度21分37秒 東経139度12分39秒 / 北緯35.36028度 東経139.21083度座標: 北緯35度21分37秒 東経139度12分39秒 / 北緯35.36028度 東経139.21083度 |
面積 | 0.013 km2 |
周囲長 | 1 km |
最大水深 | 10 m |
平均水深 | 4 m |
貯水量 | - km3 |
水面の標高 | 約155 m |
成因 | 堰止湖 |
淡水・汽水 | 淡水 |
湖沼型 | - |
透明度 | - m |
プロジェクト 地形 |
震生湖(しんせいこ)は、大磯丘陵北部、神奈川県の秦野市と中井町にまたがる堰止湖。
地理[編集]
1923年(大正12年)9月1日の大正関東地震(関東大震災)の際に形成された。地震動によって付近の丘陵が200mにわたって崩落し、市木沢(いちきさわ)最上部をせき止めたことから、その川筋と窪地が湖となったもの[3]。面積は13,000 m2、周囲約1,000m、水深は、平均4m、最大10m[3]。 流入河川・流出河川ともに存在せず、地下水脈で周囲の水系とつながっている。
湖東側の絶壁が当時の崩壊した跡とされている[3]。 滑りを生じた土壌は約6万6千年前に堆積した東京軽石層[4]で、風化が進行し粘土状鉱物のハロイサイトに変化した面が滑面となった[5]。
震災では付近の峰坂でも道路の崩壊が発生し、下校中の小学生2名が行方不明となった。湖の入口の道路沿い(バス停「震生湖」前)には供養塔が建立されている[3][6][7]。
2023年、神奈川県は関東大震災遺構として30か所を選定し、うち一つに震生湖も選ばれた[8]。
水質[編集]
流入河川が無いため工場排水や家庭排水の影響は受けない[9]。1980年代の調査で、雨水(大気)由来のトルエン、ベンゼン、アセトン、四塩化炭素などの揮発性有機化合物が検出されたと報告されている[9]。
生息する生物[編集]
コイ・ヘラブナ・ブラックバス・ブルーギル・オイカワ・アメリカザリガニ・ミドリガメなど
利用[編集]
周囲は震生湖公園として整備され、休日になるとハイキングや釣りをする人で賑わう。周辺はソメイヨシノが植えられており花の名所としても知られる[3]。
湖畔には、東京帝国大学地震研究所の物理学者寺田寅彦が1930年に当地に調査に訪れた際に詠んだ「山さけて成しける池や水すまし」の句碑も建っている。
市営駐車場がバス停近くの道路沿いと湖畔の2か所に整備されている。湖畔の駐車場はかつては周辺の太陽光発電施設を所有する企業の私道を通った先にあり、2016年には地権者が私道を通行止めにしたために駐車場の利用が禁止となるトラブルが発生したが[10]、地権者が私道を市に寄付することで和解した[11]。
名前の由来[編集]
震生湖の名称は、1924年(大正13年)に地元の有志が名付けたとされている[2]。
震生湖の名については「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉を残した(とされる)寺田寅彦が名付けたとする説もあるが、彼が東京帝国大学地震研究所の所員としてこの地に調査に来たのは1930年であり、1928年発行の「神奈川県中郡南秦野村郷土誌」には既に震生湖の名があり、それ以前に地元の人たちの創意で命名され言い伝えられてきたと考えられている[12]。
交通[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ 令和3年3月26日文部科学省告示第51号
- ^ a b 『文化審議会の答申(史跡等の指定等)について』(プレスリリース)文化庁、2020年11月20日、35頁 。2021年2月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “震生湖”. 秦野市観光協会. 2021年2月23日閲覧。
- ^ 箱根火山テフラデータベース:新期カルデラ形成 神奈川県立生命の星・地球博物館
- ^ 千木良雅弘, 笠間友博, 鈴木毅彦, 古木宏和、「1923年関東地震による震生湖地すべりの地質構造とその意義」『京都大学防災研究所年報』 2017年 60巻 B号 p.417-430, hdl:2433/229384, 京都大学防災研究所
- ^ “大震災埋没者供養塔”. 秦野市. 2021年2月23日閲覧。
- ^ “未曽有に学ぶ〈21〉崩落◆リスク、現代も高く”. 神奈川新聞. (2014年1月16日) 2021年2月23日閲覧。
- ^ https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/100th/sinnsaiikou.html 神奈川県HP「県内各地に残る震災遺構」2023年9月5日閲覧
- ^ a b 加藤龍夫,秋山賢一,河野妙子、「震生湖における有機汚染質の起源」『横浜国立大学環境科学研究センター紀要』 1980年 1号 6巻 p.11-20 , hdl:10131/6808
- ^ “駐車禁止 行楽に秋風 入り口私道巡り地権者、秦野市が対立”. 神奈川新聞. (2016年11月6日) 2021年2月23日閲覧。
- ^ “地権者、私道を寄付 震生湖、市営駐車場の利用再開”. 神奈川新聞. (2016年11月16日) 2021年2月23日閲覧。
- ^ 武村雅之「神奈川県秦野市での関東大震災の跡−さまざまな被害の記憶」『歴史地震』第26巻、歴史地震研究会、2011年、8頁。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 震生湖 - 秦野市観光協会
- 寺田寅彦, 宮部直巳、「秦野に於ける山崩」 『東京帝國大學地震研究所彙報』 Vol.10 No.1 1932年 p.192-199, hdl:2261/10026, 東京帝国大学地震研究所